南山の先生

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経営学部・経営学科

KHONDAKER,Rahman M.

職名 教授
専攻分野 日本経営論、国際経営戦略論、経営学
主要著書・論文 『Japanese Style Management for Bangladesh Public Sector』(単著)
『Management Strategies of Multinational Corporations in Asian Markets』(共著)
『日本型経営システムの構造転換』(共著)
将来的研究分野 異文化における多国籍企業の経営戦略、環境の変化と日本的経営
担当の授業科目 「経営演習A、B、C、D」、「基礎演習A、B」、「プレゼミC、D」、「グローバル・ビジネス論A、B」、「International Management A、B」、「日本経営論」、「研究指導IA、IB、IC、ID」、「経営特殊研究」、「研究指導I、II、III、 IV、V、VI」

国内外における日本企業の経営とはなにか、どう変化するのか

南山大学経営学部教育の一環として、まず経営学一般論、企業経営の実務や戦略とそのあり方についての知識を深めましょう。私が担当する授業と専門演習では、日本企業の国内経営、異文化における日本企業の経営、日本における外資系企業の経営、日本企業の戦略経営などについて学習を進めます。

日本と欧米諸国は社会的にも文化的にも異質であるといわれます。これは経営制度にもあてはまります。日本で誕生、発展した経営制度は「日本的経営」と呼ばれ、終身雇用、年功序列、企業別組合を「3種の神器」とするという特徴をもっています。また、ボトム・アップ型コンセンサスによる意思決定、全社的品質管理(TQC)、現場の第一線の労働者を中心にしたQCサークル活動、JIT (Just-in-Time)やカンバン方式、下請・系列型連結、金融界を中心とする企業集団、などの伝統的なシステムがあります。こうした「日本的経営」制度は、国内ニーズへの対応、海外経営からの学習などを通じて、第2次世界大戦後の高度経済成長期にほぼ完成し、やがて、日本の目覚しい経済的成功を成し遂げた要因の一つとして認められ、世界中からも注目されるようになりました。

高度経済成長は、日本経済に2つの特色を残しました。1つめは、多くの日本企業がアジア諸国に資本を投入し、現地に生産・ビジネス拠点を設置して経営をおこなっているということです。1996年から2016年までの日本の海外直接投資残高は13,593.5億ドルで、このうちアジア諸国における投資残高は3,683.8億ドルです。アジアは日本の海外直接投資の約27%を占めています。海外生産・ビジネス拠点を有する日本国籍の親企業は約4,994社(2016年10月現在)です。文化の異なる国において日本企業がいかに日本的経営を実践しているか、現地文化とマッチする経営制度をどのような形式で導入しているか、が興味深い点といえるでしょう。2つめの特色は、欧米企業をはじめとする数千の外国籍企業もまた、日本への投資、日本でのビジネス経営をおこなっているということです。こうした外資系企業において、日本の経営システムがそのまま導入されているのか、あるいは日本の文化に合わせた経営システムを採用しているのか、という点も議論の対象となるでしょう。

1980年代のバブル崩壊、1990年代初頭から続く経済停滞・低迷、2008年のリーマンショックなどは日本国民にもとより、社会、経済、企業経営の面において多大な影響を及ぼしました。とくに、企業経営分野においては、倒産、リストラ、欧米型人事削減、解雇などが増えました。その一方で、企業集団をまたいだ経営提携、下請け契約の縮小なども進んでいます。終身雇用制度の段階的廃止、NEET・フリーターの増加、中途採用、外国人トップ経営者の雇用なども加速しています。こうした転換期にある日本企業の経営政策や手段について考察を深めるのが私の講義の第一目標です。世界を視野に入れて活躍しようとしている皆さんには興味深い講座ではないでしょうか。

授業では日本語の文献を利用し、ニーズに応じて英語の文献も多少利用します。ディスカッションや討論は日本語で行います。もちろん、英語も大歓迎です。