HOMINIS DIGNITATI
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ミックスサンドイッチはちょっぴりからい

外国語学部英米学科 川口茉莉 交換留学 John Carroll, University, U.S.A.

ひとくちにアメリカというものの、
言語も文化も価値観も違う人たちが混ざりあっている国。
アメリカ人は主張が強く、YES、NOがはっきりしていると考えがちだが、
これはヨーロッパ系のアメリカ人の場合。
アジア系アメリカ人は日本人にとても似ていて、意見を主張しあわない。
アラビック系になると、仲間どうし、かたまって暮らしている。
ヒスパニック系では家族をすごく大事にして、ご飯もいつもいっしょに食べる。
みんなが思っている典型的なアメリカ人というものは、実は、存在しない。
同じことが、わたしにも言える。前進したり、立ち止まったり。この不可解な自分。
自分自身ですら、ひとくちで表現できないなら、他人だってそうではないか。
わたしたちは一人ひとり、ミックスサンドイッチのようなもの。
パンの部分も、ハムや卵やチーズやレタスの部分も大事にして生きている。


ルームメイトとぶつかりあった、寒いオハイオ。大学寮の小さなふたり部屋。
音楽をガンガンにかけて勉強したり、深夜2時まで起きていたりの彼女と話しあって、
ヘッドフォンや卓上ライトを使うことで問題は解決の方向へ進んだ。
まるっきり進展しなかったのは、夜10時過ぎの彼女の食習慣だった。
彼女がピザやポップコーンを食べるたび、狭い部屋は脂ぎった、しつこい匂いが充満し、
吐きそうになるくらい苦痛だった。がまんするしかなかった。
これ以上太ったらまずいよ、と豊満な彼女に言いたかった。でも、言えない。
体型を気にしない。それが彼女、シャンナなのだ。

彼女のお父さんの癌は深刻で、大きなストレスもあったのだろう。
Interpersonal Communicationの授業ほど、人間の生きる図式はシンプルに描けない。
なにもできず、なにも言えず、ただ黙ってシャンナを見守るだけだった。
人はさまざまな味わいのミックスサンドイッチ。ピリリと効いたマスタードをはさんだ……