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Global News −南山大生の海外見聞録

自分の背中を押すのは、自分

南米

秦 優莉香さん (人文学部人類文化学科)ペルーで遺跡発掘調査に参加 [ 2012年6月14日〜9月8日 ]


発掘現場


担当した発掘場所の出土状況


墓の清掃、図面作成を終えて発掘した人骨


大きな土器の中に埋葬されていた人骨の図面作成、発掘を終えた記念に


一緒に発掘作業をしたペルー人の女の子と最終日に

標高2700m。
雨は降らず、日中は日差しが強く、夜は寒い。
南米ペルーの首都リマからさらにバスに揺られ、たどりついたのは北部高地のカハマルカ。
そこの民家に滞在し、毎日、車で30分ほど行ったところにあるミラフロレス村のエル・パラシオ遺跡へ発掘調査に向かった。

エル・パラシオ遺跡は西暦700年以降に栄えたワリ文化の北限の中心と考えられており、その遺跡の範囲や、建築・出土遺物とワリとの関連性を見出すことが目的だった。
考古学者をはじめ、ミラフロレス村の男女20人ほどと一緒に作業に没頭した。
会話は基本的にスペイン語。
スペイン語は、1、2年次に第2言語に選択していたし、3年次も勉強を続けていた。
でも、実際に会話をするのはとても難しく、よく使うものや機材の単語と数字をまずは覚え、会話を聞き取るのに必死だった。
私はペルー人の女の子とペアを組み、昔お墓だった遺跡を発掘したり、遺跡の壁の図面を作ったりした。
体調を崩した時や、遺跡から誤って転落した時はつらかったけれど、私が担当した場所から重要な土器が数多く出土し、洗ったり接合したりする時はすごく興奮し、楽しくてたまらなかった。

発掘調査に興味を持ったそもそものきっかけは、「考古学ってなんとなくかっこいい、面白そう」と思ったことだった。
大学に入学した当初から、マヤ文明やインカ帝国などの中南米地域に関心があった。
実際に勉強をしてみると、出土する遺跡から当時の社会を復元しようとするだけでなく、その知識を現在にどのように活かすかまでを考える必要があることを知り、ますます惹かれた。
ペルーでの遺跡発掘調査は、「絶対にペルーで発掘したい」という気持ちを先生にことあるごとにアピールし、つかんだ大きなチャンスだった。

飛行機に乗ったことすらないのに、約3ヵ月も海外で生活できるんだろうかと、渡航前は不安でいっぱいだった。
でも振り返ってみると、そんなことは何の問題でもなかった。
大切なのは、自分から行動すること。
やりたいことは、あきらめなければ必ずチャンスをつかむことができる。
本当に行って良かった。
何事にもまず挑戦してみよう。
この思いはこれからも、私の背中を押してくれるだろう。

見聞録メモ

一日のスケジュール

[ 平日 ]

06:00 起床
07:30 朝食後、発掘調査に出発
08:00 現場到着、発掘作業 昼食はミラフロレス村の民家で
16:00 終了、片付けをして帰宅
17:00 自由時間
19:30 夕食
21:00 日誌を記入し提出、自由時間

[ 休日 ]

土曜日の午前は発掘作業、午後からは自由時間
日曜日は休日なので、観光や買い物に行ったり、大学院入試に向けての勉強など

おすすめスポット

バーニョス・デル・インカ(カハマルカ)

皇帝アタワルパも愛用していたというインカの温泉。ペルーの遺跡や、様々な土器(レプリカ)を飾った博物館も見学できる。

クントゥル・ワシ遺跡(カハマルカ)

紀元前800年頃の有名な神殿遺跡。多くの金属製品が展示され、博物館の見学もできる。

天野博物館(リマ)

リマで活躍した天野芳太郎が収集した、プレインカ時代の土器や織物が展示されている博物館。日本語の解説もあり。

おすすめの食べ物

ペルーにはいろいろな食べ物があふれていて、何を食べても美味しい。ほとんどの料理にアヒやロコトという調味料(トウガラシ)がついていて、お好みで加えることができる。

これからの目標

南山大学の人間文化研究科人類学専攻考古学領域博士前期課程に進学。ペルーでの調査経験を生かして、今後もペルーにおける考古学を学び、研究を続けていきたいです。

(2013年6月掲載)