受験生の皆様

Global News −南山大生の海外見聞録

子どもは「学び」の先生

日本・南米

浅野 麻奈さん(国際地域文化研究科国際地域文化専攻 / 外国語学部スペインラテンアメリカ学科卒業)南米系外国人学校でボランティア


日本語ゲーム


みんなで作ったちぎり絵が完成!


子どもたちと作った壁飾り


4年後に子どもたちと再会

高校の時、新聞である記事を目にした。
かつて労働者不足にあえぐブラジル政府の要請に応え、大勢の日本人がブラジルに移住した。
だが、その子孫の大多数はブラジルの労働市場の停滞により、大量に日本に帰国あるいは移住し、現在は日本に住んでいる。
彼らは、いわゆる日系ブラジル人。
深刻な状況になっているのは、その子どもたちだ。
子どもたちの多くは就学年齢になると日本の公立学校へ通う。
そこではいきなり日本語の読み書きを覚えながら、勉強もしなければならない。
そのため、言葉の違い・勉強・いじめなどの問題を抱えて、学校に通えなくなるケースも少なくないという。
つまり、彼らは日本語をきちんと学べず、勉強もできないまま、大きくなってしまう。
子どもたちが生きるために大切な教育の機会を奪われている。
こんなこと、あっていいんだろうか。

新聞で彼らのことを知って以来、ずっと興味を持っていた。
そうした子どもたちの教育を支援する活動をしたい。
スペイン・ラテンアメリカ学科への進学を目指したのは、それがきっかけだった。

大学1年の夏、チャンスは訪れた。
先輩からJICA(国際協力機構)のボランティアの話を聞き、「これだ!」と思い、迷わず参加を決めた。
静岡県浜松市にある南米系の外国人学校「ムンド・デ・アレグリア」で日本語の出前授業をするため、3日間ホームステイしながら活動した。
ところが、ホームステイ先のお宅はブラジル人。
日本語はもちろんスペイン語も通じないという非常事態には、本当に困った。
スペイン語とポルトガル語は似ているのだが、入学して間もない当時の私は、スペイン語さえままならない状態だったのだ。
言葉が伝わらないって、どれほどもどかしく、辛いことか。
「どうしよう、帰りたい」とさえ思った。
でも、紙に書く、ジェスチャーで伝える、英語を使うなど、いろんな手段を駆使することでなんとか意思疎通することができた。
子どもたちと触れ合うときも、伝えたいという気持ちがあれば、壁は越えられるんだと実感した。
何より圧倒されたのは、子どもたちの「勉強したい!」という意欲と熱意だ。
自分が学んでいる言葉を、知識を、こんなにも必要としている子どもたちがいる。
この熱意を絶対にムダにしてはいけないと思い、自分自身も改めて勉強の意欲が沸いてきた。
きらきらと目を輝かせて学んでいた子どもたち。
あの子たちに負けずに頑張る。
その気持ちを、ずっと忘れないでいよう。

見聞録メモ

参加して良かった点

今まで漠然としか知らなかった子どもたちの状況を知ることが出来たことです。身近に、自分が学んでいることばを必要としている子どもたちがいるんだと目の当たりにし、改めて勉強する意欲がわきました。今でも時間を見つけて地域のボランティアに参加しています。

将来の目標

地域で暮らす外国人の方を支援する仕事に就くのが私の夢です。外国人の方が置かれている現状を知っているという強みを活かし日本人との架け橋になることが目標です。

(2012年11月掲載)