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Global News −南山大生の海外見聞録

時空を超えた体験

アジア

坂下 凌哉さん (人間文化研究科人類学専攻)カンボジアでのフィールドワーク [ 2013年3月21日〜4月1日 ]


カンボジア調査村の子どもたちと


首都プノンペンの市場の様子


調査の風景

2年次の夏に、ボランティアツアーに参加したのがカンボジアとの出会いだ。
内戦の傷跡と貧困。さぞ大変な思いをしているだろうと思いきや、現地の人々や子どもたちの表情は意外にも明るかった。
カンボジアのことをもっと知りたい! その一心で、カンボジアの土器作りを研究する先生のゼミに所属し、3年次の春休みに先生の現地調査に随行する形で12日間のフィールドワークが始まった。

現地では、土器作り村での聞き取り調査や製作工程の見学のほか、遺跡や博物館も巡った。
内戦時に罪のない多くの人々が収容され、拷問にあったトゥールスレン博物館や、多くの人々が虐殺されたキリングフィールドを訪れた時は、やりきれない思いで言葉を失った。

だからだろうか、その後に訪れた土器作り村で、年配の方に聞き取り調査を行った時も「この方たちもあの内戦期を生き抜いてこられたのだな」と、特別な感情が湧いてくる。
もちろん辛い記憶を蘇らせるようなことはしなかったが、相手への敬意を伝えたくて、挨拶や自己紹介は出発前に猛勉強したカンボジア語(クメール語)で行った。彼らはとても喜んでくれ、昔ながらの土器作りを丁寧に教えてくれたり、お土産までくれる人もいた。言葉の持つ力ってすごい。改めてそう感じた。

現地に暮らし、現地の人と交流することで、改めて文化の違いや共通性を見出すことも数多くあった。外国人に素直に興味を示すのは日本と変わらないが、いくら可愛くてもカンボジアでは子どもの頭を撫でてはいけない。人々の頭には神が宿っていると信じられていて、頭を撫でると神様を払うことになってしまう。ほかにも高床式住居での暮らしや虫たちとの共存はなかなかの衝撃体験だった。

具体的な調査法はもちろん、文化の違う人々と豊かに交流する術を学べた今回のフィールドワーク。
内戦前の平和な時代、内戦期、そして今。村での調査や、さまざまな遺跡を訪れる度に、各時代の人々のリアルな暮らしが目の前に広がり、まるで時空を超えた旅をしているようだった。
苦手だった爬虫類や虫にももう慣れた。鍛えられた知識とハートで、今度は自分の研究でカンボジアを訪れるつもりだ。

見聞録メモ

費用

約18万円

[ 内訳 ]

航空券:約13万円
食費・宿泊費:約5万円

現地の人とは何語でやりとりされていたのですか?

基本的には、現地の学生などに通訳をお願いしていました(通訳とのやりとりは英語)。でも本文中でもお話したように、挨拶や自己紹介程度はカンボジアの言葉でできるよう出発前に勉強し、現地の方にも喜んでいただけました。

一日のスケジュール

5時:起床
6時:朝食
8時〜12時:調査
12時〜14時:昼休憩
14時〜16時:調査
16時〜18時:自由時間(調査した事項の整理作業など)
18時〜20時:夕食
21時:就寝

高校生へのメッセージ

大学生活は、自分から行動しないと何も始まりません。逆に、自分から行動すればいろいろなことができます。私も大学でカンボジアという国に魅了され、もっとこの国のこと多くの人に伝えたいという気持ちから、高校の社会科教員という人生の進路を決めました。皆さんも大学に入学したら、ぜひ自分から多くのことに挑戦してください。

(2014年10月掲載)