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Global News −南山大生の海外見聞録

奇跡をくれた星空

アフリカ

苅部 太郎さん (人文学部心理人間学科)イギリスへの留学と南アフリカでのボランティア活動 [ 2009年3月〜2010年5月 ]


イギリス生活、各国からの学生と


NGO現地スタッフと


南アフリカ最大のスラム街「ソウェト」


アフリカ大陸最南端の街にある喜望峰にて

海外で私の人生は大きく変わった。
大げさでなく、そう思っている。

貧困や紛争など、授業で学んだ世界の問題は、ほうっておけないと思えることばかりだった。実際にこの目で知り、役に立ちたい!だけど、何の知識もない自分がいきなり途上国に行っても、足手まといにしかならないのはわかっていた。途上国開発支援の専門的な知識とスキルを学ぶのが先決と考え、まずはイギリスに渡った。

参加したのは、実際に現地で働きながら学ぶボランティア留学というプログラム。イギリス留学中は、世界中から集まった他の学生と途上国の社会問題についての雑誌を作り、路上などで販売した。一人当たりの売り上げは、なんと45万円。それを渡航費用にあて、南アフリカ共和国へのチケットをようやく手にした。

広大なアフリカ大陸の最南端。念願の地で、僕は毎日試行錯誤しながら働き、多くのことを学んだ。エイズ等の感染症撲滅活動をするNGOに所属し、黒人が住むスラム街の家々を一軒ずつ回ったり、広場に人を集めたりしてはエイズ撲滅について訴えた。

そんなある日、交通事故に遭った。
高速道路で乗っていた夜行バスが大型コンテナ車と正面衝突し、そのまま崖から転落。私の座っていた最前列のみシートベルトが付いていて、そのおかげで助かることができた。

バスから脱出して見上げたあの空は、今も忘れない。これまで見た中で一番奇麗な満天の星空。その瞬間から人生観が大きく変わった。自分の命はたったひとつ、人生は一度きりしかない。一日一日を一生懸命生きようと強く思った。

途上国は確かに、死が近いし、経済的、物質的に貧しい。でも、必ずしも日本のような先進国からの助けが必要とは限らないし、本当のところ彼らも求めてはいないのかもしれない。彼らに何が足りないかではなく、日本に何が足りないのか、逆に彼らから教えてもらったものだ、と今は思う。

自分はいったいどういう人間なのか。心からやりたいことは何なのか。多様な考えや生き方に触れながら、自分についてもとことん考えた。もし、留学する決意をしなかったら、私の世界に対する見方、そして人生はかなり違ったものになっただろう。

皆さんがこの文章を読んでいるこの瞬間にも、地球の裏側で精一杯生きる人たちがいる。せっかく同じ時代に生まれてきたのだから、日本を飛び出して、世界の人々に会いに行ってみませんか?

苅部太郎さんのジャーナルはこちら

苅部太郎さんが「Sony World Photography Awards 2014」において入賞!

見聞録メモ

一日のスケジュール

[ 平日 ]

日中はHIV/エイズ撲滅活動をするNGOで勤務。基本的にオフィスでの書類作成。時には、アパルヘイト中に黒人居住区とされたスラム街を訪れ、家を一軒一軒まわったり、広場に人を集めてワークショップを開くなど、啓発活動を行った。防犯上の理由で日が暮れる前に帰宅し、同じ家で共に暮らす現地人スタッフと夕食。英語や現地語、HIV/エイズの勉強をして就寝。

[ 休日 ]

午前中は一週間分の洗濯(洗濯機がないので、すべて手洗い)。昼からは一緒に暮らす現地人スタッフと映画や買い物へ。まとまった休暇には旅行に出かけ、サファリやリゾート地のケープタウンを訪れた。

費用

約90万円

[ 内訳 ]

渡航費25万円、学費(寮費食費込み)45万円、ヨーロッパ・アフリカバックパック旅行10万円、予防接種などその他の準備金10万円

おすすめスポット

喜望峰

かつてバスコダガマが上陸した南アフリカ共和国の南端の町、ケープタウンにあり、見渡す限りの水平線の向こうに、インド洋と大西洋がぶつかり合うのを見ることができる。

おすすめの食べ物

南アフリカ共和国の主食である「パップ」。とうもろこしからできたお餅のようなもので、片手で小さく丸めて食べる。フライドチキンとの相性は抜群!

(2012年11月掲載)