南山大学
JapaneseEnglish
南山大学ホーム日本語トップ総合案内広報・コミュニケーション南山ブレティン152号フォワイエ南山完成卒業生へ贈る言葉

.


フォワイエ南山

南山大学学生専用マンション
「フォワイエ南山」完成

 「フォワイエ南山」は、遠隔地出身の新入生のために、入学時の経済的負担を少なくし、快適な学生生活が送れるよう、その一助として提供する男子学生専用のワンルームマンションである。学生が一つの建物に居住し、それぞれの自主的な生活を通して、居住者同士が交流を深め、学生生活をより有意義なものとすることを目的とする。
 名古屋市昭和区五軒家町の閑静な住宅街に位置し、名古屋キャンパスへは徒歩約15分、最寄駅の地下鉄鶴舞線「いりなか」駅へは徒歩約5分と大変便利である。
 鉄筋コンクリートの地上3階建て、全ての部屋にキッチン・バス・トイレが設備されている。総戸数は55戸。2005年3月に完成し、同月より入居手続を開始する。



.

卒業生へ贈る言葉

学長
ハンス
ユーゲン・マルクス




 1月5日正午、欧州各地の広場にあらゆる宗教の人々が集まり、スマトラ沖大地震と津波の犠牲者を追悼するため3分間の黙祷をささげました。その間、パリ、ロンドン、ベルリンなどでは電車や地下鉄の運行を止め、イタリアでは国内空港の発着を控えました。30万人に達しようとする犠牲者の中には、インドネシア、スリランカ、インド、アフリカの住民に加えて、クリスマス休暇を過ごすため彼の地を訪れていたヨーロッパ人が大勢いました。欧州各国では、首脳が先頭にたって義援金を集め、人的・物的に手厚い救援活動を行なっています。ドイツのある週刊誌はこう書いています。「災害のショックと被災者への思いやりから、世界に新しい秩序が出来上がった。世界はいまグローバルに考え、グローバルに悲しみ、グローバルに祈ることができる」。
 日本では約2週間後、阪神大震災から10年目を迎えて6,433本のロウソクに火をともして犠牲者の冥福を祈りました。皆さんもはっきり記憶しておられると思いますが、私にとって特に印象に残っているのは、日本の窮状に世界各地から救援の手が差し伸べられ、全国各地からボランティアが神戸に集まって、日本のボランティア元年と言われるほど、ボランティア活動が活発になったことです。
 これら2つの大災害に共通するのは自然の脅威に人は無力であることを知らされたと同時に、これまでの人間関係のあり方も根本的に変わったという点です。日本ではボランティア文化が芽生え、今回はグローバルな規模での連帯意識が生まれました。そこで、私はフランスの哲学者ガブリエル・マルセルが力説した存在と所有の違いを改めて痛感しています。
 衣食住や職業、あるいは能力や資格など、広い意味における所有は生きるうえで欠かせません。しかしそれより大事なことがあります。それは私が自分自身であること、そして常に他者と関わりあって生きているといった意味での存在です。もちろん私たちはいつまでも生きるわけではありませんが、生きている間に築いてきた存在、例えば家庭や社会という存在は自分の後も続きます。キリスト教信仰では、体を含めたモノがすべて去ってしまうとき、魂は神のうちに迎えられ、その永遠の存在にあずかります。他の諸宗教でも表現は異なりますが同じことが言われます。
 皆さんには、南山を卒業するにあたって、この生涯の後にも残る存在を築こうと決意していただきたいと願います。
(人文学部教授)