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 「からだを通しての自己理解・自己成長」「自己の象徴としてのからだ」をテーマとして人文学部心理人間学科のグラバア俊子教授が開講する「ボディワーク」を取材した。
 大学では講義型授業が大半である中、心理人間学科では、理論、知識を深める授業とともに体験型授業を多く開講していることが特徴である。他学部・学科の学生も履修可能なことから、学生の視点で考える授業の魅力を発見するため、そして実際に参加している学生の授業に対する取り組み方や意識について知りたく、今回「ボディワーク」を取り上げた。


ボディワーク

 「ボディワーク」では、心とからだを別々のものではなく統一的なものとして捉え、様々な体験をすることで自己のからだに対して多くのことに気付こう、また、からだのメッセージに耳を澄まそうという目的をもつ授業である。体験のなかに含まれるのは主として、(1)ブレスワーク(自身の命の基本的リズムとしての「呼吸」がどのようになっているのかを体感し、またペアとなった相手の呼吸を観察する。からだを過酸素状態にし、気付いていなかった自身の心とからだの調子を知る)(2)ボディイメージ(自分のからだをどう感じているかを象徴的ではなく、自身ではからだを描くつもりで表現し、心とからだを知る)(3)シン・インテグレーション(身体再統合の技法)(4)ボディ・ダイアリー(毎日心身の調子を書き、自身の変化に気付く)などである。
 学生が「ボディワーク」を選んだきっかけの第1位は、体験学習であること。「こんなことまでするの?」と始めは恥ずかしさを感じる行動をする実習もある。しかし、皆が和やかな雰囲気の中、協力的に真剣になって実習が進められていくことで、恥ずかしい気持ちも次第に薄れ、より積極的に参加できるという環境での授業も体験型ならではと感じる。講義型授業では時にはサボってしまうとか、授業をほとんど聞かないという学生がいることもあるが、「ボディワーク」は違い、そんな雰囲気ではない。毎回どのようなことに取り組んでいくのか想像がつかず、そして今まで体験したことがなかったことを多く実習していくため、緊張感を持って授業に臨む。毎回の実習内容を楽しみにして授業を迎えることができ、欠席することを惜しく感じ、張り切り過ぎるほど飲めり込むという学生もいた。単に理論や説明を聞いて知識を増やすのではなく、自分なりの考え、自分自身が気付いたことを最大限に尊重する思考や時間を授業内で提供してもらえる。先にも述べた「からだを自分の象徴としてみる」という視点はなかなか普段の生活では気付かないものであるが、「ボディワーク」は気付かせてもらえるきっかけを作ってくれる。もちろん得ることができる知識や充実感は個々に差がある。しかし、受け身ではなく意欲的・積極的に参加すればするほど多くのことを学び、また自身のことを知ることができる「ボディワーク」体験型授業での学生の表情は、時には真剣、そして時には満たされた笑顔を見せる。自分自身の参加意識、意欲によって魅力的か、そうでないかにできてしまう体験型授業。参加することに自己責任がかかってくるということは学生の参加意欲を十分に尊重してくれる環境であると感じ、とても魅力ある授業だ。



完成予想図