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南山大学 2003年度決算2004年度予算




 2000年度に新設・改組した学部学科が完成年度を迎え、2003年度末に初の卒業生を送り出した。これに時期を合わせる形で、2004年度から法務研究科(法科大学院)、人間文化研究科、国際地域文化研究科、総合政策研究科、数理情報研究科の大学院5研究科を開設した。また、名古屋キャンパス(以下「NNC」という。)の学部施設の充実も図ってきた。今後は学部・学科の収容定員増、大学院博士後期課程設置、南山としては2番目の専門職大学院となるビジネススクールの設置など、将来構想の実現に向けた事業が控えている。南山大学では以前より、財政面に特化した自己点検・評価を実施しており、財政基盤の強化と将来構想実現のための財源確保に努めているところである。
 また、毎年度「南山BULLETIN」紙上および大学ホームページにおいて、学生および保証人の皆様に、南山大学の財務状況を公開することにより、その透明性を確保することに努めている。今回は2003年度決算および2004年度予算について、財務諸表を掲載するとともに、内容を説明させていただきたい。


●2003年度決算について
 第1表「資金収支計算書」は、年度中の資金の動きを収入と支出の面から明らかにし、各科目ごとに1年間の実績を表している。収入の部の前年度繰越支払資金と支出の部の次年度繰越支払資金の差が1年間の資金の増減となるが、2003年度は約24億円の資金が減少している。要因は主として、冒頭に述べた5研究科開設に伴う設置経費等の負担である。



第1表 2003年度 資金収支計算書
(2003年4月1日から2004年3月31日まで)

(単位:千円)

(注)予算額は補正予算額。



第2表 2003年度 消費収支計算書
(2003年4月1日から2004年3月31日まで)

(単位:千円)

(注)予算額は補正予算額。

 第2表「消費収支計算書」は、学生納付金、補助金、寄付金などの帰属収入(負債とならない収入)と人件費等の経費の均衡状態を表している。また、帰属収入からは、資産取得、将来の資産取得のための積立金などの基本金を差し引き、これを消費収入として表している。2003年度は約35億円の支出超過となったが、これは大学院設置に係る経費の負担が約40億円であったことによるものである。基本金については、積立金としての2号基本金として、NNCの新教室棟のための整備資金を2億円、瀬戸キャンパス(以下「NSC」という。)のグラウンドのための整備資金を1億円、計3億円を計画的に組み入れた。
 第3表「貸借対照表」は2003年度末時点での財政状況を明らかにするものであり、2002年度末との比較を表わすものとなっている。有形固定資産は約8億円減少している。これは減価償却額が約10億円あったのに対し、大学院設置経費等捻出のため、新規取得を例年より控えた結果である。新大学院用に取得した資産は2004年度には資産として計上される。流動資産も約22億円減少しているが、これは「資金収支計算書」の説明で述べた理由により資金(現金預金)が減少したためである。固定負債の減少は過去に建物取得のために借り入れた長期借入金の計画返済によるものである。基本金については、設備関係の新規取得により1号基本金が約3億円、2号基本金が計画組入分により3億円、果実を教育研究活動に使用するための基金を積み立てている3号基本金が約5000万円、恒常的支払資金としての4号基本金が1500万円、それぞれ増加した。


第3表 貸借対照表
(2004年3月31日現在)

(単位:千円)

(注記)

1.建物・構築物等の減価償却額累計額の合計額

9,270,380千円

2.徴収不能引当金の合計額

30,400千円

3.担保に供されている資産の種類および額

土地/134千円

4.退職給与引当金の額の算定方法は次のとおりである。
期末要支給額4,000,952千円の40%を基にして、私立大学退職金財団に加盟しているため調整額を加減した金額を計上している。

5.借入金の返済に伴い翌年度以降の会計年度において基本金への組入れを行うこととなる金額

399,960千円

6.リース残高合計
1998年(平成10年)4月以降に締結したリース残高 ・車両 3,382,575円 ・教育研究用機器備品 19,981,080円

7.右記について債務保証をおこなっている。 ・南山大学学生(卒業生)の奨学金銀行ローン 157,095,581円

8.学校法人委員会報告第28号「学校法人の減価償却に関する監査上の取扱い」(平成13年5月15日改正)をうけて、平成15年度より固定資産の耐用年数を変更した。
この変更により、従来の方法と比べて減価償却額が108,773,519円多く計上されている。

 9.名古屋キャンパスの敷地の一部については法人本部に計上されており、上記貸借対照表の土地及び第1号基本金には含まれていない。
この土地取得費については、1997年度より毎年法人本部費配賦額により2億円ずつ負担し,2031年度まで合計7,161,350千円を負担することになる。

10. 第3号基本金に対応する引当資産は法人本部にて手当てされている。


 第4表は消費収支計算書と貸借対照表に関連した財務比率である。それぞれについて他の私立大学の2002年度の平均的数値と比較している。大学の教育研究活動の評価指標のひとつとして、一般的に教育研究経費比率が高いことがよいとされている。教育研究経費比率は26・5%であり、2002年度の他大学平均を若干上回っている。この比率は25%が目安と考えられている。人件費比率については低い方がよいが、50%程度で収まっていることが目安となる。2003年度はこれを若干上回っているが、その要因は教育内容拡充のための教員採用で、2002年度から上昇している。基本金組入率は他大学と比べかなり低い値となっている。今後の将来構想の資金を計画的に確保するため2号基本金組入を積極的に行い、この値を上昇させる必要がある。貸借対照表比率については、消費収支差額構成比率、流動比率が他大学平均より悪く、他は平均並みとなった。大学院設置経費に加え、2000年度に開設したNSC2学部の設置経費により消費収支差額が2003年度末で約76億円の支出超過となっていることが要因である。中長期的資金計画の下、この支出超過を早期に計画的に解消していかなければならない。


第4表 財務比率

 消費収支関連(1)


 消費収支関連(2)


 貸借対照表関連

(注)

他大学の数値は、日本私学振興・共済事業団平成15年度版「今日の私学財政」より消費収支関連については文他複数学部(文系学部とその他系学部、または文系学部を複数設置するもの)の大学部門の平均を貸借対照表関連は文他複数学部を有する大学法人の法人全体の平均をそれぞれ掲載した。評価は、それぞれの大学の特殊性があり一概にはいえないが、一般的には「↑」は数値が高い方がよく、「↓」は数値が低い方がよく、「〜」はどちらともいえないとされている。
総資金=負債+基本金+消費収支差額

(※)

南山大学の流動比率は流動資産から第3号基本金額を差し引いた額を分子とした。



●2004年度予算について

 資金収支予算書(第5表)と消費収支予算書(第6表)を掲載した。ここでは、この中に盛り込まれている主な重点事業、新規事業を列挙する。

(1)新設大学院関連経費

 2004年度に5研究科を新設したが、そのための経費は当然のことながら新規事業となる。校舎新設による警備等の運営経費、法務研究科図書室の運営経費、社会人対象のサテライトキャンパス運営経費等を計上した。

(2)施設関係費用

 耐震検査の結果に基づき、建物の耐震補強工事を実施する。総額で6億円超の事業となるが、安全な教育研究環境を確保するためには、必要不可欠な事業である。

(3)広報関連費用

 2002年度に作成した大学のロゴ・エンブレムを表示整備する事業を2003年度から三年計画で開始し、学外・学内に対しVI活動を展開している。また、2005年度の愛知万博開催に合わせて開港する中部国際空港への広告掲出を行う。国際性を重視する南山大学にとっては、特色をアピールする絶好の機会である。また、広報活動の見直しにより、大学広報として新幹線を含む交通広告に加え、入試広報の重点事業であるオープンキャンパスでは、初の試みとして、遠隔地の受験生に直接足を運んでもらうためのバスツアーを計画した。受験生への負担を軽減するため、かなりの部分を大学負担とし、そのための経費を計上した。



第5表 2004年度 資金収支予算書
(2004年4月1日から2005年3月31日まで)

(単位:千円)

(注)予算額は補正予算額。


第6表 2004年度 消費収支予算書
(2004年4月1日から2005年3月31日まで)

(単位:千円)

(注)予算額は補正予算額。


 本学では、財務状況を公開することにより大学の運営状況を明らかにするとともに、学生による授業評価を行い、学生の声を出来る限り取り入れた形で自己点検・評価に努めている。この姿勢を今後も維持、発展させていく所存であり、ぜひともご理解とご支援を賜わるようお願いしたい。
 (大学事務部長 会沢俊昭)


PDF資料

0203kaikei.pdf

380k

上記の表の資料(4ページ)