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第9回
「 教職入門 1 」

宇田光



当日レポートを生かす講義

授業風景

宇田 光うだ・ひかる 
総合政策部教授、総合政策学科。専攻分野は教育心理学。
長期研究テーマは「高等教育における教授方法の研究・開発」。短期テーマは「当日ブリーフレポート方式の効果に関する研究」。担当科目は『学校教育心理学』、『教職入門』、『学習指導論』など。


 私が担当する科目では、独特のやり方で授業が進みます。単調になりがちな授業に、なんとか変化をつけたい。そんな思いから、今日までさまざまな工夫を重ねてきました。ビデオ教材を用いる、感想を書いてもらう、小テストをする…。しかし、もっと根本的な改革が、何か必要だと感じていました。
 そして、たどり着いたのが、BRD方式(当日ブリーフレポート方式)です。これは、授業中に時間を取って、簡単なレポートを執筆してもらう方法です。4段階からなる手順で、90分の最初と最後それぞれ十〜二十分程度を、レポート作成にあてます。20行分ほどの罫線を引いたA4の書式を多量に印刷しておき、当日配布して利用します。
 まず、(1)当日の授業内容に直結するテーマを指定して(確認段階)、(2)各自で構想を練ってもらいます(構想段階)。次に(3)通常の講義をします(情報収集段階)。最後に、(4)残った時間でレポートを完成してもらいます(執筆段階)。1回あたりに要求する執筆分量は、字の大きさにもよりますが、600字程度です。完成し提出されたレポートは、次回の授業冒頭で返却されます。
 BRD方式の長所を3つだけ挙げると、
 (1)授業の各回ごとに、明確で具体的な目標が設定されること。この目標は、レポートのテーマという形で、冒頭に明示されます。
 (2)学生一人ひとりが主体的に、目の前の課題に取り組むこと。教員による説明は、課題達成を支援するために行われます。  (3)学生が相互に協力して、授業を作っていくことができます。例えば、レポートを隣の人と交換して、どんなことを書いたかを互いに参考にしたり、感想を伝えます。
 BRD方式では、授業のテーマに関して、学生にまず考えてもらいます。教員が一方的に教えてしまうことを避けているのです。いわば授業内に「予習」が組み込まれ、この過程で、自分に欠けている知識が自覚され、学ぶ意欲が生じます。このため、講義に対する集中度は、大幅に向上します。
 

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