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取 材 建部 潤子(総合政策学科 4年) / 大宮 あゆみ(総合政策学科 1年)

カーテンコールでの笑顔
ユダの裏切りにより囚われたイエズス

 野外宗教劇「受難」とはキリストの生涯と苦難を描いた劇で、300年以上前にドイツで始まったのが最初だと言われている。日本では受難劇を上演する団体はほとんどなく南山大学ならではの伝統行事である。グリーンエリアも受難劇上演を想定して設計されたくらいである。
 今年の見所はキリストの弟子でありながら彼を裏切ったユダの心の葛藤である。弟子としてキリストを信ずることができず苦悩する場面は、ユダ役以外に裏切りを誘惑する悪魔と人間の弱さを語るもう1人のユダとの三者によって演じられ、信ずることの大切さと難しさを観客に訴えた。今回、キリスト役を演じた主幹の加藤健史さん(総合政策学部総合政策学科3年)は「受難劇が終わってしまって寂しい面もあるが今は達成感の方が大きい。37回も続いているのでプレッシャーを感じたが、それよりも自分達の力で創ろうとの気持ちが勝った。途中の雨がなければ120点、雨でも100点。」と振り返った。また、ヨハネ役(イエズスの弟子の一人)と制作のチーフを務めた萩原京子さん(人文学部心理人間学科3年)は「練習場所の確保や経費、日程の調節などを担当し責任のある分やりがいもあった」と話す。上演の途中での雨については「ここ数年、雨が降っていなかったのに…。ただただ止んでくれるのを祈った」とその時の懸命な気持ちを語った。
 クライマックスでは雨も上がり雲の間から月が現れた時には、「スタッフの祈りが通じたのでは?」と信じてしまいたくなった。「信じる」ということを私たちの心に温かく響かせてくれた「受難」は毎年新しい演出と脚本で違った魅力を見せ続けてくれる。是非、一度は心に残る感動を楽しんではどうだろうか。