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第7回 |
後藤剛史
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経営学部生は、1年次の春学期から2年次の秋学期にかけて、1コマずつ「基礎演習」という科目を履修する。2年次の春学期までの基礎演習は、あらかじめ編成された50人以下のクラスごとに、パソコンの基本的なスキルを学び、英文で書かれた経営学の共通テキストを輪読する。そして二年次の秋学期に履修する本講義では、テーマやスタイルの異なる各教員のクラスを各学生が自主的に選択する。私のプレゼミナールのクラスでは、「人事と組織の経済学」という本について学生がレジュメを作成し報告するスタイルで学んでいく。 スタイルの詳細は、次のようなものである。まず、40人からなるクラスを4人単位の10班に分ける。この際、友人同士で班を固めないように分け方を工夫している。毎週の講義では、まず、「発表班」が作成したレジュメをもとに担当部分を報告し、「質問班」がその内容に関して質問する。さらに、私やその他の学生による質問、およびそれに対する発表班の応答、という形で進める。 このようなスタイルの場合、発表班は、真剣に自分で考えるようになる。講義スタイルの場合、学生は基本的に聴いているだけなので、「わかったつもり」になりがちである。一方、報告スタイルの場合、各学生は、レジュメの作成や発表にあたって、本当に理解していなければならない。わかったつもりで報告すると、私や他の学生からの質問に答えることができないから、それを避けるために真剣に自分で考えるのである。このような作業は、経済学の理解のためには特に必要であるし、また、3年次からの演習I・IIや実際の企業において求められるプレゼンテーション・スキルの修得にも役立つ。このようなスタイルで講義を進める私にとっては、最初の1、2回目の講義が大事な「勝負」となっている。この時期にクラスの雰囲気はほとんど決まってしまうので、クラス全体を質疑応答のしやすい打ち解けた雰囲気にするよう努力している。この意味で、このクラスは、将来自分自身が担当する演習I・IIの運営スキルを私が修得するための場でもある。幸いにも、今学期のクラスは大変良い雰囲気で、私としては一安心である。また、各学生は、経済学の 初学者 ならではの自由な発想を私に提供してくれるので、それらから学ばせてもらうことも多い。残りの講義をさらに充実させるよう、努力していこうと思っている。 |