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南山大学 2002年度決算2003年度予算




 2000年度に新設・改組した学部が完成年度を迎え、今年度末の卒業生は5学部から7学部となる。6月末には学部改革に続く第二次将来構想として、文部科学省へ大学院(研究科)の設置認可申請を行った。その内容は、2004年度に開設する法務研究科(法科大学院)をはじめ、人間文化研究科、国際地域文化研究科、総合政策研究科(修士課程)と数理情報研究科(博士前期・博士後期課程)の五研究科である。このために名古屋キャンパスと瀬戸キャンパスにおいて新たな大学院棟の建設を進めている。本学としては、これらの発展する教育・研究環境を支える財政基盤の重要性から「財政に係わる自己点検・評価」を毎年度実施して財政基盤の強化に努めている。
 本学では、毎年度「南山BULLETIN」紙上(大学ホームページ含む)で、学生および学生保証人の皆様に財政状況を公開して財務情報の透明性の確保に努めている。今回は2002年度決算および2003年度予算の財務諸表を掲載し、それぞれについて説明を加えたい。


●2002年度決算について
 第1表「資金収支計算書」は年度中の資金の動きを中心に収入と支出とに区分し、収支それぞれの科目ごとに一年間の実績を集計している。次年度繰越支払資金は前年度に比べ14億円増えており資金面では健全に推移している。



第1表 2002年度  資金収支計算書
(2002年4月1日から2003年3月31日まで)

(単位:千円)

(注)予算額は補正予算額。



第2表 2002年度  消費収支計算書
(2002年4月1日から2003年3月31日まで)

(単位:千円)

(注)予算額は補正予算額。

第2表「消費収支計算書」は学生納付金や補助金等の帰属収入と人件費や教育・研究経費等の費用との均衡状態を明らかにしている。また帰属収入からは必要な資産を取得する等のために基本金への組入額をマイナスする。なおこの組入額は、2002年度予算で予定した大学院新設など第二次将来構想に起因する費用を次年度に繰延べしたため実績で約10億円減となった。さらに、手数料・補助金収入が予測より増加し、人件費・経費等の支出が予測より減少したことにより決算では5億7000万円の消費収入超過となった。
 第3表「貸借対照表」は本学の2002年度末の財政状態を明らかにするもので、2001年度末と比較した表になっている。増減欄を見ていただくと有形固定資産が約7億円減少している。2002年度は施設設備が3億円増加した一方で、減価償却額が10億円あり、その差額7億円が2001年度に比べマイナスとなった。負債の部では、返済に充てた長期借入金と前受金・預り金が減少している。基本金の部では施設設備等の取得による一号基本金が3億円、教室棟整備資金の計画組み入れによる二号基本金が2億円、教育研究活動に資するための基金積立による三号基本金4億4000万円、恒常的支払資金としての四号基本金2000万円がそれぞれ増となった。


第3表 貸借対照表
(2003年3月31日現在)

(単位:千円)

(注記)

1. 建物・構築物等の減価償却額累計額の合計額

8,278,880千円

2. 徴収不能引当金の合計額

31,323千円

3. 担保に供されている資産の種類および額

土地 144,844千円

4. 退職給与引当金の額の算定方法は次のとおりである。
期末要支給額4,201,641千円の40%を基にして、私立大学退職金財団に加盟しているため調整額を加減した金額を計上している。

5. 借入金の返済に伴い翌年度以降の会計年度において基本金への組入れを行うこととなる金額

472,180千円

6. 名古屋キャンパスの敷地の一部については法人本部に計上されており、上記貸借対照表の土地及び第1号基本金には含まれていない。
この土地取得費については、1997年度より毎年法人本部費配賦額により2億円ずつ負担し、2031年度まで合計7,161,350千円を負担することになる。

7. 第3号基本金に対応する引当資産は法人本部にて手当てされている。

8. 2001年度末図書は、南山短期大学及び名古屋聖霊短期大学からの移管分12,940千円が含まれている。

9. 2001年度末構築物は、法人事務局への移管分8,184千円が差し引かれている。

10. 2001年度末基本金は、上記「8」図書及び「9」構築物の移管額が調整されている。


 第4表は消費収支計算書関連と貸借対照表関連の財務比率である。消費収支計算書関連の比率については、他大学と比較すると教育研究経費比率が高く評価の上では良いこととなる。人件費比率は経営的に低い方が良いこととなっており、2000年度から少しずつ改善されている。基本金組入率は他大学と比較すると半分程度である。この改善には今後見込まれる大規模修繕や施設設備取得の資金を事前に確保して基本金組入増を図るなどの計画も検討する必要がある。貸借対照表関連の比率については、他大学と比較し、自己資金構成比率は高く、また総負債比率、負債比率は低く他大学より良い比率となっている。これは借入金に依存する率が低いことを示していると言える。なお、消費収支差額構成比率につきましては他大学と比較し大幅にマイナスとなっているが、この理由は瀬戸キャンパスにおける総合政策学部と数理情報学部設置事業に起因する消費支出超過額によるものである。前年度と比較して2%改善されたが、早期解消を計ることが必要である。


第4表 財務比率

 消費収支関連(1)


 消費収支関連(2)


 貸借対照表関連

(注)

他大学の数値は、日本私学振興・共済事業団平成14年度版「今日の私学財政」より消費収支関連については文他複数学部(文系学部とその他系学部、または文系学部を複数設置するもの)の大学部門の平均を貸借対照表関連は文他複数学部を有する大学法人の法人全体の平均をそれぞれ掲載した。評価は、それぞれの大学の特殊性があり一概にはいえないが、一般的には「↑」は数値が高い方がよく、「↓」は数値が低い方がよく、「〜」はどちらともいえないとされている。
総資金=負債+基本金+消費収支差額

(※)

南山大学の流動比率は流動資産から第3号基本金額を差し引いた額を分子とした。



●2003年度予算について

 資金収支予算書(第5表)と消費収支予算書(第6表)を掲載した。各科目の中に盛り込まれた重点事業の主なものは次のとおりである。

(1)卒業式費用

 本年度の卒業式は瀬戸キャンパスの新設学部である総合政策学部と数理情報学部の卒業生も新たに加わるので、式典用ガウン作成費を計上している。また、南山大学としての一体感を重視し、卒業生、ご家族、そして教員が一同に卒業式典に参加する方式の継続のために、学外に会場を設けることとなり会場費を計上している。

(2)教育・研究環境整備費用

 本年度名古屋キャンパス関係では、防水工事としてK・M棟外壁および体育センター屋上部分補修、冷暖房関係でJ棟の室外機取替、地震対策としてメインストリート周囲建物窓ガラス飛散防止のための工事、また視聴覚関係の同時通訳室改修と視聴覚ブース取替、前年度未処理部分のアスベスト工事、駐輪場整備を行う。瀬戸キャンパス関連では自動証明書発行機増設が行われる。教育・研究環境整備は継続的な事業であり、高額なものは年次計画により整備し、今後とも充実のために努力する。

(3)情報システム構築費用

 Webインフラ整備、Webによる初回履修登録、教室用PC入替及びアップグレード、システム運用などのための事業の実施を予定しており、今後とも情報環境整備に努力する。

(4)全国展開関連費用

 大学のアイデンティティを全国に伝えるための広報活動として全国版新聞広告、大学のロゴ、エンブレム、スクールカラーの表示整備、東京、名古屋でのマスコミ(報道・出版)懇談会を引き続き実施する。さらに遠隔地出身の学生のために学生専用マンション借上費を計上している。




(2003年4月1日から2004年3月31日まで)

(単位:千円)

(注)予算額は補正予算額。


第6表 2003年度 消費収支予算書
(2003年4月1日から2004年3月31日まで)

(単位:千円)

(注)予算額は補正予算額。


 この他2003年度予算には、法人本部費配賦額の中に大学院新設等将来構想関係の予算43億円を含んでおり、これが消費支出超過額40億円の主な理由となる。
 本学は学校運営の状況をこのように財政状況を公開して説明するとともに、教育・研究や学生生活においては「学生による授業評価」やWeb投書箱アゴラによって学生の皆さんの意見も取り入れ、大胆な発想に基づいた「絶えざる自己改革」に取り組む所存である。今後ともご理解とご支援を賜わるようお願いしたい。
 (会沢俊昭 大学事務部長)


PDF資料

02決算03予算.pdf

232k

上記の表の資料(4ページ)