.


CJS新入生キャンパスツアー

CJS新入生キャンパスツアー

 今年もCenter for Japanese Studies(外国人留学生別科)で日本語や日本文化を学びに交換協定校を中心に世界18ヶ国、124名の留学生が相次いで来日した。
 9月3日名古屋キャンパスでの入学式の後、オリエンテーションの一環としてキャンパスツアーが行われた。従来このツアーのガイド役は、日本人学生の海外留学経験者だったが今年は初めて名古屋キャンパスの在学生を対象にガイドを公募し、留学生と日本人学生が交流する機会を広げることとなった。
 ツアーでは慣れない日本語で質問する留学生に日本人学生が丁寧に説明するなど、共に学ぶキャンパスを通して初々しく交流する風景が見られた。



.

研究所の役割

小林 傳司




 国立大学が来年度より独立法人化する。当初、国立大学の合併や提携の記事が多数出たが、今となってみるとさほど進まなかったことがわかる。建学の理念が無いに等しい国立大学でさえ合併は容易ではない。まして、独自の建学の理念を掲げる私立大学の場合、規模の拡大や相互補完といった名目だけで合併を試みることはいっそう困難であろう。
 今後、多くの特に地方国立大学は、生き残りをかけて大学の独自性、個性を追求し、それを社会にアピールするという道をとらざるを得ないであろう。つまり、日本の大学は個性を競い合う時代、アイデンティティゲームの時代を迎えることになる。本学の建学の理念は、「人間の尊厳のために」をモットーとするキリスト教精神である。とすれば、今後のアイデンティティゲームの時代において、本学はこの精神を研究・教育を通じて示していく以外に道はないであろう。お気づきの人は少ないかもしれないが、学生に配布する『学生生活案内』の冒頭には「カトリック大学の理念」が説明されている。そこでは、中世以来大学の理念が「教養人と職業人の養成」にあったことが解説され、日本では「教養人の養成」という精神が見失われており本学はその重要さを意識し、それに取り組むのだと記されている。研究所もその観点から次のように説明されているのである。
 「南山大学の二つの研究所、宗教文化研究所と社会倫理研究所は、この問題(教養人の養成のこと―引用者)に直接関連を持っている。また、人類学研究所は哲学的人間学の基礎としての意義を持っている。これらの極めてユニークな研究所の存在は、それぞれ固有の目的と並んで、『教養』の問題に南山大学がどれほど深い関心を持っているかを端的に示すものであろう。」
 私は、本学の研究機能が、ここに記されている原点を踏まえた研究所を中心に展開されることによって、本学のアイデンティティを表現すべきだと考えている。資金的、人材的余裕に限りがある私立大学の場合、建学の理念をコアとした研究・教育体制の構築以外にアイデンティティは表現しえないのではないだろうか。この原点を見失った研究・教育投資は、大学を「一応何でもあるが、何も特色はない」大学にしてしまう可能性がある。これはかつての、そして今苦闘している、地方国立大学の姿ではなかったか。今、改めて、本学の研究機能のあり方を検討する時期が来ていると思う。
(研究所総合委員会委員長 人文学部教授)