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第5回
「 経済演習I」

小林 佳世子



経済学の思考法とは?

授業風景

発表テーマ:「公正とは何か」

小林 佳世子 こばやし・かよこ 経済学部講師、経済学科。専攻分野は法と経済学、ゲーム理論。
長期研究テーマは「日常生活の営みにおける人間の研究」。短期研究テーマは「情報開示政策の意義」。担当科目は『情報の経済学』、『ミクロ経済学』など。


 経済学部では、すべての学年でゼミが必修です。私が担当する「経済演習I」では、1年生を対象に、「経済学の基本的な思考法を身につける!」ことを目標にしています。具体的には、教科書の輪読と、新聞を題材にした業界研究を行っています。これらを通じて、「自分の頭で考える」訓練をし、さらに、発表・質疑応答・議論などを通じて、「人とコミュニケーションする能力」を高めたいと思っています。さらに、新聞を題材にした業界研究で、世の中に対する興味・関心をも深めたいと思っています。
 輪読では、今年は「ランチタイムの経済学」という本を題材に、グループごとに発表をしています。特別な前提知識は要りませんが、じっくりと考えさせられる本なので、発表班は入念な準備が必須です。さらに質問班は発表班に対抗すべく質問を準備し、司会班が当日の進行を取り仕切ります。いい加減な準備ではすぐに(厳しく!)追求され、場合によっては宿題になります。また、「すべての参加者が一緒に参加して考えることのできる」発表が求められ、これも簡単ではありません。
 30分ほどの発表が終わると、班ごとに、疑問点や内容に対するコメント、そして発表のやり方に対するコメントを話し合います。ゼミは数少ないプレゼンテーションの訓練の場でもあり、お互いに発表方法の改善を工夫しあうのが、その目的です。
 次いで、各班からの質疑応答に入ります。ごまかした発表には質問が集中します。最終的には、ここで、各人が積極的に議論に参加することが目標です。
 以上のほかに、ゼミの最初に10分程度、業界研究の発表があります。班ごとに業界を選び、さらに班内で各人が担当する新聞を決めます。毎週、全ての班員が新聞記事を持ち寄り、それをまとめ、発表するのです。さらに、夏のゼミ合宿と年度末に、集中した業界研究発表を予定しています。バイト先や家業に関係した業界を選ぶグループもあり、裏話などを聞くことができるときもあります。特定の業界の記事を読み続けることで、新聞を読む習慣をつけ、現実の世界に対する興味・関心を深め、さらにこれが自分の将来の方向性を決めるときに役立てばと思っています。
 硬いことばかり書いてきましたが、つい先日、ゼミコンパが開かれました。「生きた人間と生きた議論をする」ためには、教室の外での付き合いも重要だと考えています。コンパも(予想以上に?)盛り上がり、これからの1年間、ゼミが楽しみです。