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 二〇〇四年度より学校教育法に「第三者評価制度」が規定され、文部科学大臣が認める認証 機関による数年に一度の評価が各大学に義務付けられることとなった。こうした国による評価 とは別に、大学にはそもそも受益者をはじめとする社会の「評価」を受け、教育・研究、学生 サービスの質を高めていく責任がある。本学では九一年度に自己点検・評価委員会を設置し、 毎年恒常的に自己点検・評価活動を実施しており、その結果を授業方法の改善、カリキュラム の改正、施設・設備の修繕に役立てている。ここでは、その取組みを幾つか紹介したい。


12月14日に行われた外部評価委員会
 
1. 「学生による授業評価」と
    ファカルティ・ディベロップメント(FD)
 毎学期、「講義」「語学」「演習・その他」の三つの科目類型のいずれかから四百五十程度の授業科目を選び、それぞれの授業科目を受講する学生が五段階マークシート方式でアンケートに答える授業評価を実施している。アンケートの質問項目は科目類型によって若干異なるが、「授業で分からないところがあった時、担当教員に質問する、調べる、友達に聞くなどして積極的に対応しましたか」など学生自身の参加を問う項目、「授業の開始時間はきちんと守られていましたか」、「授業の到達目標がはっきりと示されていましたか」、「授業科目履修案内」に記載された内容と実際の授業内容は一致していましたか」、「私語や遅刻などの授業の妨げになる学生の行為に対して、適切な対処がされていましたか」など授業方法や内容を問う項目、「この授業に全体として満足しましたか」など全体的満足度を問う項目に大別される十九項目が設定されている。また、この十九項目とは
 このような教員の自己点検・評価と連動し、教育の水準を高めるファカルティ・ディベロップメント(Faculty Development)の取組みとして、毎年教員を対象としたFD企画を実施している。二〇〇二年度は、特にユニークな授業運営をしている教員の授業を公開し、他の教員が見学した後、討議を行う「授業見学会」を、名古屋、瀬戸キャンパス間を繋ぐテレビ会議システムを用いながら実施した。

2. 外部評価委員会
 〇一年度および〇二年度に、学外の有識者を外部評価委員に委嘱し、それぞれ年一回の外部評価委員会を開催した。〇一年度は教育活動、〇二年度は研究活動をそれぞれ評価項目とし、事前に関係資料を委員へ送付し、評価の準備を依頼した。委員会当日は本学名古屋キャンパスにおいて終日にわたる意見交換が行われ、外部評価委員から忌憚のない意見、提案がなされた。大学側は学長、副学長をはじめとする自己点検・評価委員会委員、および関係する部署の代表者が質疑に答え、今後の方針を述べた。〇一年度および〇二年度外部評価委員は次の方々である。
 加藤延夫氏(愛知医科大学理事長・学長)、奥野信宏氏(名古屋大学総長特別補佐)、柴田昌治氏(日本ガイシ株式会社代表取締役会長)、葛西敬之氏(東海旅客鉄道株式会社代表取締役社長)、小出宣昭氏(中日新聞社取締役・名古屋本社編集局長)、桐淵利博氏(桐淵コンサルティング事務所代表・ヤフー株式会社監査役)

3. 投書箱「ΑГΟΡΑ (アゴラ)」の設置
 上述の「学生による授業評価」における授業環境改善の提案とは別に、授業を含む学生生活全般における不満、意見、提案を広く学生から受けるシステムとして、〇三年一月より、本学公式ホームページ上(ただし学内専用ページ)に投書箱「ΑГΟΡΑ(アゴラ)」を設置した。ΑГΟΡΑとはギリシア語で「広場」を意味する。投書箱の命名は、古代ギリシアの都市国家において、市民が広場で生活の向上のために建設的に話し合ったことに由来する。  学生がホームページ上で送信した投書はただちに自己点検・評価委員会委員長が読み、担当部署に回答案作成を依頼する。その回答案は同委員長の承認のもと、正式な回答としてホームページ上に公表される。開設後、学生から早速多数の投書が寄せられた。

「AГOPA」の画面。ここから投書する

授業科目履修、コンピュータ環境、瀬戸キャンパスへの通学で不都合が生じているとの意見など約五十通を受け取った。また、ΑГΟΡΑの設置を学生サービスの姿勢を見直すきっかけにしてほしいという自己点検・評価の本質を問う要望も寄せられた。
 ΑГΟΡΑ設置後、偶然にも、六七年一月に発行した本紙第一号に、当時の文学部長が「ギリシアにおけるアゴラのような懇話の場所を大学内に設けたい」と記しているのを見つけた。Webという現代のツールを用いながら、学生と大学の対話の場として、積極的に活用したいと考えている。
(浜名優美 教学担当副学長自己点検・評価委員会委員長)