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「アジア入門演習」

宮沢 千尋


東南アジアを学ぶ

東南アジアの魅力をさまざまな角度から学ぶ

宮沢 千尋 みやざわ・ちひろ
外国語学部講師、アジア学科。専攻分野は社会人類学。
長期研究テーマは「ベトナム村落社会構造の持続と変化」。
短期研究テーマは「ベトナム農村における農業合作社の役割」など。
担当科目はこの他「ベトナム社会・文化研究」など。


 このクラスは、外国語学部アジア学科一年次生のためのゼミです。「一年生からゼミがあるの?」と驚かれる方もあるかもしれませんから、まずは設置の事情を説明いたします。
 二〇〇〇年度にスタートした本学のアジア学科は、おそらく全国でも初めての試みだと思われますが、中国語とインドネシア語、さらに英語の三言語を一、二年次生の必須外国語としています。学生にとってこの三言語の習得は多いに役立ち、また興味あるものですが、学生の勉学が外国語習得のみに傾いてしまい、高校までとは違う大学の、そして社会のものの考え方、意見発表の作法の学習などがおろそかになることを危惧し、あえて一年次からこのようなゼミを設置したのです。
 さて、私の演習では、特に東南アジアに関しての基礎的知識や、現在問題になっている事柄、また、日本と東南アジア双方にとって必ずしも幸福であったとはいえない関わり合いなどを学びます。『入門東南アジア研究』(上智大学アジア文化研究所編)を手がかりに、分担者を決めてレジュメを作り、時間内で発表し、そのあと全体で質疑応答・討論をするという形で進めていきます。
 アジア学科の学生は、「アジアのことを勉強したい」という意欲にあふれた学生です。しかし、東南アジアに関していえば、高校の世界史の教科書を見ていただけば一目瞭然ですが、中国史にアジア史の記述の大半が割かれており、入学の時点で東南アジアに十分な知識を持った学生はごく少数です(一部、「世界事情」のような講義でアジアに力を入れてくださっている高校もありますが)。ですから、一年次生の東南アジアについての認識は、「舌をかみそうな王や王朝の名前を、説明もなく習ったような気がする」という程度のものであったり、独裁や貧困のイメージであったりします。あるいは単なる観光旅行地としてしか認識していない学生も、まれにいます。そこで、この演習では、東南アジアの基礎知識をつけると同時に、その整理を行い、それを現代に生きている日本人と東南アジアの人々との関わりにおいて捉えることを目標にしています。
 そしてもう一つ、学生諸君が課されるのは、ゼミにおいては必ず発言することです。私のゼミは全員が発言するまでは終わりません。最初は緊張して、顔が真っ赤になっていた学生も学期が終わる頃には、ごく自然に手を挙げて発言できるようになるのです。

毎回必ず学生が発表し、
「全員参加」で討論


 また、もう一つの大きなテーマは、「東南アジアを食べる」です。名古屋にも最近、東南アジア料理の専門店がたくさんできるようになり、本場顔負けの料理を安く提供してくれていて、食文化に触れる機会が身近にあります。春学期は私の専門領域がベトナムということもあって、ベトナム料理店に行きました。初めてベトナム料理を食す学生がほとんどで、料理に使われている魚醤や香草の香りに驚いたようですが、大好評でした。
 以上のように、「勉強する時も遊ぶ時も一生懸命やりたい」というのが、私のクラスのモットーです。アジア、特に東南アジアに関心がある方は、ぜひ私のクラスに来てください。