南山大学 2000年度決算と2001年度予算

 南山大学は、二〇〇〇年度において瀬戸キャンパス新学部の設置並びに名古屋キャンパス学部の改組・改編を行いました。これらの事業は南山大学と南山学園全体の構成員の相互理解及びご父母の皆様を初めとして各界の皆様のご協力を得て実現されたものでした。今回の将来構想はお蔭様でさい先のよいスタートをきることができましたが、学長の提唱する「絶えざる自己改革」の下、大学院将来構想や瀬戸キャンパス整備構想等の実現に向けて邁進していく必要があります。
 この度は、二〇〇〇年度決算のご説明にあたり、新たに大学部門の貸借対照表(第3表)を公開することといたしました。これは南山大学における財政状態をより正確にご理解いただき、今後の構想実現に向け大学構成員をはじめ皆様のご理解とご協力を祈念してのことです。
 南山学園では、従来から法人内の各学校(大学、二短期大学、三高中校)はその収支状況及び財政状態について主体的に自ら収支責任や経営責任を負うという財務方針を基本としてきました。文部省令学校法人会計基準では貸借対照表が法人全体のものを求められているのに対し、今回大学部門だけを独立した形で公開することは前述の主旨によります。

二〇〇〇年度決算について
 はじめに二〇〇〇年度決算につきまして、貸借対照表とその関連事項を中心に説明させていただきます。
 資金収支計算書(第1表)は各勘定科目において、年度中の諸活動に対応するすべての収入及び支出の内容と支払資金の顛末を明らかにしております。なお、支払資金の収支に係わらないものは調整勘定という形で収支を調整して支払資金の顛末を明らかにしています。次年度に繰越する支払資金の額は貸借対照表の「現金預金」の額と一致します。
 消費収支計算書(第2表)は、年度中の消費収入と消費支出の内容を明らかにし、消費収支の均衡状態を表示しております(第4表消費収支関連参照)。また、帰属収入(学校法人の負債とならない収入)から固定資産関係の取得価額をもって基本金組入れを行っております。この組入処理は、規模の拡大は自己資金により賄い、消費収支を均衡させ、学校法人の永続性を確保するという公益目的からなされているものです。「翌年度繰越消費支出超過額」は「前年度繰越消費支出超過額」と「当年度消費収入超過額」の差額であり、貸借対照表のそれと一致します。
 なお、資金・消費両収支計算書における支出科目「法人本部費配賦額」は、学校法人会計基準にない科目ですが、本来収入源を持たない法人本部部門固有の支出や、各学校の構成員が共通に利用するような伊勢海浜センターや南山学園研修センター等の支出を各学校が応分に負担するものです。この科目の設定により大学の財政状況をより正確に表すことができます。
 資金収支計算書や消費収支計算書が当該会計年度中の資金や消費収支の流れ(フロー)を明らかにするものであるのに対して、貸借対照表は決算日における財政状態(ストック)を明らかにするものです。貸借対照表をご覧いただきますと、有形固定資産額が約二百六億円になっており、一方で消費収支差額が四十九億円余の支出超過(翌年度繰越消費支出超過額)になっております。これは、新学部等の設置にあたっては借入金収入で賄うことはできないという制約がありましたので、瀬戸キャンパス開設および名古屋キャンパスD棟ならびに名古屋交流会館等の建築などを借入金ではなく自己資金により賄った結果であります。ここで見られる本学の特色は、自己資金構成比率と総負債比率や負債比率については、一九九九年度他大学平均に近い状態(第4表貸借対照表関連参照)にあるということです。つまり、貸借対照表における財政状態としては、消費支出超過額が多額になっていることを除けば、二〇〇〇年度における資産構成や負債総額等の側には問題はないといえます。消費収支の均衡は大学の永続性を確保するためにも達成する必要があります。
 将来構想として新しい事業を起こすために文部科学省へ設置申請をする場合には、財源を含めた計画が必要となります。そのためには資金の準備(積立等)も計画しなくてはなりません。将来構想計画実現のための施設・設備への必要な投資計画と、単年度の経常的経費とのバランスも調整する必要があります。従って、次なる将来構想実現のための備えとして、今後は単年度消費収入超過を実現し、四十九億円余りの消費支出超過を計画的に解消すること即ち財務体質を向上させることが必要となるわけです。そのためには、「入るを計り、出ずるを制す」の方針の下に財政基盤の確立に向けて鋭意努力する必要があります。先ほども申し上げましたが、施設・設備への新たな投資を行う場合には、経常的経費のなかでもとりわけ人件費との関連が密になります。人件費構造については、固定性の強い側面もありますので、すぐに実行できることとそうでないことがあります。教育条件を低下させることなく、小人数教育の目的・理念を継承しつつこの見直しを行うことは、容易なことではありません。帰属収入については、瀬戸キャンパス新学部が完成年度を迎える二〇〇三年度までは、学生数増により六億円程度ずつ増加していく見込みです。より魅力ある教学組織を実現するためには、より健全な財政体質の実現に向けて継続的かつ真剣に取り組まざるを得ないと考えております。
 大学の最大の財産である人的資産の内容を貸借対照表で表すことはできません。人的資産評価は、教育研究内容を初めとした外部からの第三者評価を含め、今後は社会からの厳しい評価に基づくものとなるでしょう。本学も今年から始まる外部評価など各方面からの御意見を賜り、教育研究の充実と財政構造の改善・改革を推進してまいります。文書つづき


表目次

第1表 
2000年度 資金収支計算書

第4表 
財務比率 ・貸借対照表関連 ・貸借対照表関連
・帰属収入に対する比率

第2表 
2000年度 消費収支計算書

第5表 
2001年度 資金収支予算書

第3表 
貸借対照表

第6表 
2001年度 消費収支予算書

最初に



第1表

2000年度 資金収支計算書
(2000年4月1日から2001年3月31日まで)

(単位:千円)
収入の部
支出の部
科   目
予 算 額
決 算 額
科   目
予 算 額
決 算 額

学生納付金収入

7,950,659

7,937,597

人件費支出

5,591,070

5,466,568

(授 業 料)

(5,483,868)

(5,469,017)

(教員人件費)

(3,701,510)

(3,665,391)

(入 学 金)

(1,012,500)

(1,012,260)

(職員人件費)

(1,662,952)

(1,622,270)

(実験実習料)

(42,441)

(42,720)

(退職金)

(226,608)

(178,907)

(施設設備費)

(1,411,850)

(1,413,600)

教育研究経費支出

2,282,819

2,024,148

手数料収入

562,490

734,705

管理経費支出

612,302

526,406

(入学検定料)

(496,945)

(654,748)

借入金等利息支出

49,400

49,219

(その他の手数料)

(65,545)

(79,957)

借入金等返済支出

420,780

420,780

寄付金収入

254,630

184,036

施設関係支出

332,175

329,036

補助金収入

871,660

807,528

設備関係支出

416,478

389,346

資産運用収入

222,029

280,604

その他の支出

1,514,427

1,385,819

資産売却収入

1,000

0

法人本部費配賦額

90,697

101,656

事業収入

77,230

76,492

予 備 費

40,000

雑収入

143,811

135,966

資金支出調整勘定

△160,000

△150,141

前受金収入

2,239,000

2,380,993

次年度繰越支払資金

9,855,988

10,721,250

その他の収入

1,442,560

1,437,139

資金収入調整勘定

△2,553,637

△2,545,677

前年度繰越支払資金

9,834,704

9,834,704

収入の部合計

21,046,136

21,264,087

支出の部合計

21,046,136

21,264,087

最初に

第2表
 
2000年度 消費収支計算書
(2000年4月1日から2001年3月31日まで)

(単位:千円)
消費収入の部
消費支出の部
科  目
予 算 額
決 算 額
科  目
予 算 額
決 算 額

学生納付金

7,950,659

7,937,597

人件費

5,364,462

5,287,661

手数料

562,490

734,705

教育研究経費

3,232,819

2,958,713

寄付金

254,630

184,042

(内、減価償却額)

(950,000)

(934,564)

補助金

871,660

807,528

管理経費

692,302

599,176

資産運用収入

222,029

280,604

(内、減価償却額)

(80,000)

(72,770)

事業収入

77,230

76,492

借入金等利息

49,400

49,219

雑収入

143,811

139,208

資産処分差額

12,000

10,484

徴収不能引当金繰入額

1,500

0

予 備 費

40,000

帰属収入合計

10,082,509

10,160,176

法人本部費配賦額

90,697

101,656

基本金組入額合計

△1,184,068

△1,150,458

消費支出の部合計

9,483,180

9,006,909

当年度消費収入超過額

2,809

当年度消費支出超過額

584,739

前年度繰越消費支出超過額

4,916,058

4,916,058

消費収入の部合計

8,898,441

9,009,718

翌年度繰越消費支出超過額

5,500,797

4,913,249

(注)予算額は補正予算額。

最初に


第3表

貸借対照表
2001年3月31日現在

(単位:千円)
科    目
金 額
科    目
金 額
資産の部

負債の部

固定資産

21,470,549

固定負債

2,271,117

 有形固定資産

20,645,697

  長期借入金

661,040

  土 地

1,120,974

  退職給与引当金

1,610,077

  建 物

11,944,818

  構築物

593,885

流動負債

3,025,355

  教育研究用機器備品

2,357,248

  返済期限が1年以内の長期借入金

149,980

  その他の機器備品

21,313

  未払金

93,809

  図 書

4,596,857

  前受金

2,380,993

  車 輛

10,602

  預り金

400,573

 その他の固定資産

824,852

負債の部合計

5,296,472

  電話加入権

4,856

基本金の部

  施設利用権

9,709

  長期貸付金

670,287

  第1号基本金

26,471,530

  退職給与引当特定資産

140,000

  第2号基本金

0

  第3号基本金

5,020,611

流動資産

10,930,315

  第4号基本金

525,500

  現金預金

10,721,250

基本金の部合計

32,017,641

  未収入金

142,220

 消費収支差額の部

  短期貸付金

376

  立替金

1,017

翌年度繰越消費収入(△支出)超過額

△4,913,249

  前払金

65,452

消費収支差額の部合計

△4,913,249

資産の部合計

32,400,864

負債の部・基本金の部および消費収支差額の部合計

32,400,864

(注記)

  1. 建物・構築物等の減価償却額累計額の合計額              6,476,026千円
  2. 徴収不能引当金の合計額                        35,209千円
  3. 担保に供されている資産の種類および額は、次のとおりである。   土地 144,844千円
  4. 退職給与引当金の額の算定方法は次のとおりである。期末要支給額4,149,219千円の40%を基にして、私立大学退職金財団に加盟しているため調整額を加減した金額を計上している。
  5. 借入金の返済に伴い翌年度以降の会計年度において第1号基本金への組入れを行うこととなる金額  597,609千円
  6. 名古屋キャンパスの敷地の一部については法人本部に計上されており、上記貸借対照表の土地及び第1号基本金には含まれていない。この土地取得費については、1997年度より毎年度法人本部費配賦額により2億円ずつ負担し、2031年度まで合計7,161,350千円を負担することになる。
  7. 第3号基本金に対応する引当資産は法人本部にて手当されている。

最初に


第4表

財務比率

消費収支関連
比   率
計 算 式
南山大学
他大学
評価の基準
.
.
1998年度
1999年度
2000年度
1999年度

人件費比率

人件費/帰属収入

50.4%

52.7%

52.0%

48.2%

人件費依存率

人件費/学生納付金

64.3%

65.6%

66.6%

57.8%

教育研究経費比率

教育研究経費/帰属収入

15.8%

18.5%

29.1%

23.1%

管理経費比率

管理経費/帰属収入

4.1%

5.3%

5.9%

6.0%

借入金等利息比率

借入金等利息/帰属収入

0.9%

0.7%

0.5%

0.7%

学生生徒等納付金比率

学生納付金/帰属収入

78.5%

80.3%

78.1%

83.3%

補助金比率

補助金/帰属収入

9.0%

9.2%

7.9%

7.1%

基本金組入率

基本金組入額/帰属収入

3.4%

15.1%

11.3%

15.0%

減価償却費比率

減価償却額/消費支出

4.7%

5.3%

11.2%

10.0%


貸借対照表関連
比   率
計 算 式
南山大学
他大学
評価の基準
2000年度
1999年度

自己資金構成比率

(基本金+消費収支差額)/総資金

83.7%

84.2%

消費収支差額構成比率

消費収支差額/総資金

△15.2%

2.1%

流動比率(※)

流動資産/流動負債

195.3%

307.6%

減価償却比率

減価償却累計額/減価償却資産取得価額

30.2%

33.4%

総負債比率

(固定負債+流動負債)/総資金

16.3%

15.8%

負債比率

総負債/(基本金+消費収支差額)

19.5%

18.8%

(注)他大学の数値は、日本私学振興・共済事業団平成12年度版「今日の私学財政」より、消費収支関連については文系複数学部の大学部門の平均を、貸借対照表関連は文系複数学部を有する大学法人の法人全体の平均をそれぞれ掲載した。  
評価は、それぞれの大学の特殊性があり一概にはいえないが、一般的には「↑」は数値が高い方がよく、「↓」は数値が低い方がよく、「〜」はどちらともいえないとされている。総資金=負債+基本金+消費収支差額
(※)南山大学の流動比率は、流動資産から第3号基本金を差し引いた額を分子とした。今後消費収支差額△4,913,249千円(第3表参照)を解消することにより、他大学平均307.6%を上回ることができる。

最初に


帰属収入に対する比率
最初に

二〇〇一年度予算について
 資金収支予算書(第5表)と消費収支予算書(第6表)を掲載しましたのでご覧ください。なお、各科目の中に盛り込まれた重点事業の主なものについて以下ご説明申し上げます。

(1) 文部科学省設置経費関係の
    計画的整備について
 新学部・改組学部用図書資料整備費二千五百五十万円と瀬戸キャンパス学生貸出用パソコン購入費二千百万円があります。

(2)国際交流関連について
 瀬戸キャンパスの留学生の受入に伴う交流会館の不足を補うために、瀬戸キャンパス第二交流会館(仮称)について二〇〇二年度からの利用を目指し現在細部の検討を行っております。従来の交流会館と同様日本人学生との親密な交流を可能とする特別仕様の会館を民間業者からの一括借上げ方式により使用することとしております。

(3)情報システム構築について
 図書館システムの機能向上や学務系システム及びWEB等情報提供システムの改善のため、総額一億二千四百五十二万九千円の事業の実施を予定しています。これらのシステムにより、二キャンパスの情報共有の連携をより効率的にし、教育活動や授業評価及び研究活動・組織運営等に関する点検・評価の資料となる情報の提供が可能となることを目指しております。

(4) 広報活動 について
 広報活動の経常費として一億七千五百六十七万二千円、大学活力評価四百三十万五千円、全国版新聞広告五千六百万円、報道・新聞・広告業者との懇談会三百万円があります。なお、これまでの入試広報に加え、大学の教育活動や研究活動そのものを広く社会全般に向けて報じていくことの重要性は各方面から指摘されており、その実現を目指しております。

(5) その他の活動費について
 総合政策学部では、未修外国語を国外で学ぶ、南山大学短期アジア留学プログラム(通称 : NAP)が本格的に開始され、三千二百八十二万一千円の予算が計上されております。また、スクールバス六台の購入用として八千九百三十一万三千円の予算を計上し、運行路線やダイヤの変更を含め瀬戸キャンパスへのアクセスの便宜の向上を計画しております。
 二〇〇一年度予算は約九億円の消費支出超過額になっておりますが、二〇〇〇年度は消費支出超過予算から収入超過決算になっておりますので、今年度も極力無駄を省き節約に努めて消費支出超過の減少を目指しております。


 南山大学は一九六五年度の決算からブレティン紙上による財政報告を毎年度続けてまいりました。今回はあらたに貸借対照表を公開することにより、本学の財政状態についての情報を共有し、二十一世紀においても「個性輝く大学」であり続けるために皆様のご支援をお願い申し上げます。
  (大学事務部長 会沢俊昭)

最初に


第5表

2001年度 資金収支予算書
(2001年4月1日から2002年3月31日まで)

(単位:千円)
収入の部
支出の部
科    目
予 算 額
科    目
予 算 額

学生納付金収入

8,428,120

人件費支出

5,876,075

  (授業料)

(5,883,988)

  (教員人件費)

(3,922,943)

  (入学金)

(991,650)

  (職員人件費)

(1,712,132)

  (実験実習料)

(59,045)

  (退職金)

(241,000)

  (施設設備費)

(1,493,437)

教育研究経費支出

2,489,691

手数料収入

543,790

管理経費支出

603,878

  (入学検定料)

(479,445)

借入金等利息支出

41,500

  (その他の手数料)

(64,345)

借入金等返済支出

149,980

寄付金収入

168,000

施設関係支出

234,660

補助金収入

854,800

設備関係支出

354,748

資産運用収入

155,744

その他の支出

1,462,338

資産売却収入

2,000

法人本部費配賦額

572,253

事業収入

110,669

予 備 費

20,000

雑収入

139,690

資金支出調整勘定

△155,452

前受金収入

2,200,000

次年度繰越支払資金

10,635,620

その他の収入

1,492,220

資金収入調整勘定

△2,530,992

前年度繰越支払資金

10,721,250

収入の部合計

22,285,291

支出の部合計

22,285,291

最初に


第6表

2001年度 消費収支予算書
(2001年4月1日から2002年3月31日まで)

(単位:千円)
消費収入の部
消費支出の部
科    目
予 算 額
科    目
予 算 額

学生納付金

8,428,120

人件費

5,665,075

手数料

543,790

教育研究経費

3,449,691

寄付金

168,000

  (内、減価償却額)

(960,000)

補助金

854,800

管理経費

683,878

資産運用収入

155,744

  (内、減価償却額)

(80,000)

事業収入

110,669

借入金等利息

41,500

雑収入

139,690

徴収不能引当金繰入額

1,500

予 備 費

20,000

帰属収入合計

10,400,813

法人本部費配賦額

572,253

基本金組入額合計

△868,441

消費支出の部合計

10,433,897

当年度消費支出超過額

901,525

前年度繰越消費支出超過額

4,913,249

消費収入の部合計

9,532,372

翌年度繰越消費支出超過額

5,814,774

最初に