南山大学
JapaneseEnglish
南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン199号No.2
南山ブレティン199号
1 - 2 - 3 - 4 - 5 - 6 - 7 - 8 - 9 - 10 - 11 - 12

研究

写真:中村 督 准教授

中村 督(なかむら ただし)
外国語学部 フランス学科 准教授


専攻分野は、「近現代フランス史」、「地域文化研究」、「社会史」。
研究テーマは、戦後フランス社会に関する歴史研究。
主な担当科目は、フランスの社会、時事フランス語、論文作成法。

歴史を通じて現代社会を理解すること

フランスには文学、芸術、ファッション、料理といった華々しい文化のある一方で、移民や宗教をめぐって生じる貧困や差別といった問題も存在しています。こうしたフランス社会とは一体何なのでしょうか。この問いを歴史学的観点から検討するのが私の研究で、それは通称「社会史」と呼ばれる領域に属します。そういうと「社会に関わる事柄なら何でもありなのか」という話ですが、少なくとも研究対象については「そうである」と思っています。

ただ、個人的には従来、論及の避けられてきたいわゆる「隙間」のごとき対象を探したくなります。具体的にいうと、これまで『ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール』(2014年に『ロプス』に名称変更)というニュース週刊誌に着目して研究を進めてきました。同誌は「知識人の週刊誌」と称される一方で、国内では最大販売部数を誇る雑誌であり、フランスを代表する媒体としてよく知られています。しかし、10年ほど前に同誌をめぐる研究がないことを知り、以来、久しくその通史を描くべくして資料を博捜し、論文として少しずつ成果を公表してきました。

今後の研究ですが、たしかに教科書的にフランス社会について汎論してみたいという野心はあります。しかし、その一方、少し考えてみただけでも歴史記述の隙間や余白はたくさん残されており、そこを埋めていく研究の重要性も感じています。仮にもどちらかを選ばなければならないとすれば、差し当たりは後者、すなわち好奇心と忍耐力に支えられるような地道な歴史研究を続けたいというのが本当のところです。

写真:研究対象の一つであるLe Nouvel Observateurの創刊号(1964年11月19日)
研究対象の一つである
Le Nouvel Observateurの創刊号
(1964年11月19日)
写真:フランス語の書籍での筆者の紹介(Jacqueline Remy, Le Nouvel Observateur. 50 ans de passions, Pygmalion, 2014)
フランス語の書籍での筆者の紹介
(Jacqueline Remy, Le Nouvel Observateur. 50 ans
de passions
, Pygmalion, 2014)