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南山ブレティン197号
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INTERNATIONAL FRIENDSHIP

メキシコでの交換留学
  • 外国語学部 スペイン・ラテンアメリカ学科4年 高島 亜希子
  • 留 学 先:Popular Autonomous University of the State Puebla (メキシコ合衆国)
  • 留学種別:ISEP交換留学
  • 留学期間:2015年8月10日〜2016年5月20日
写真:高島 亜希子

私の通うUPAEP大学は、メキシコシティから東南に車で2時間ほどのところに位置するプエブラ州にあります。プエブラ歴史地区は街全体が世界遺産で、タラベラという陶器が有名です。大学には文系・理系、芸術、調理などの様々な学部があり、日々の授業では、医学や栄養学、エンジニア、建築など、今まで関わったことのない学部の学生と一緒に授業を受けていました。また、アメリカ合衆国やドイツ、韓国、中国などから100人以上の留学生が集まりますが、その中でも日本人は私一人でしたので、自分の行動、発言が「日本人」として捉えられるという責任を感じていました。このような約10ヶ月の留学生活の中で、日本にいるときには気づかなかった、メキシコの良いところや悪いところを学び、逆に日本の他の国にはない特殊なところや強みなどにも、たくさん気づきました。

私は、南山大学で社会言語学のゼミに所属していますので、言語について留学を通して気づいたことを少し書きたいと思います。プエブラにはVolkswagenの工場があるので、周りの学生の多くは英語の次にドイツ語を勉強しています。他にも、中国語を話せる人もいて、手続きなどをする際、私を中国人だと思って中国語で話しかけてくださる事務員の方もいました。しかし、日本語に関しては、アニメやマンガに興味があり勉強している学生が数人いるくらいです。「日本語って、アルファベットのように26文字で構成されているの?」と質問されたときには、日本語があまり認知されていないことを改めて感じました。確かに、日本語は日本でしか話されていませんし、ビジネスなどに関しては有効的な言語とは言えないかもしれません。

その中でも、ひとつ嬉しい出来事がありました。ある日、タクシーに乗っていたとき、運転手さんにどこの国から来たか聞かれました。日本からです、と答えると、その運転手さんはとても興味深いことを言いました。「中学生の息子がいて、英語を勉強している。でも、私は彼に英語の次に日本語を勉強させようと思っている。」私が「でも、私のメキシコ人の友達はみんなドイツ語を勉強しています。それに、日本語は日本でしか使われませんし・・・。」と言うと、運転手さんはとても嬉しいことを言ってくれました。「私は、日本はとても礼儀正しく、きっちりとした国だと知っている。そういう尊敬できる国の言語を勉強することは大切なことだ。」確かに、国際的なビジネスの場面で日本語を使うことはほとんどないと思います。通訳を頼むか、英語で交渉するでしょう。しかし、その国の良いところを学ぶために、その国の言語を学ぶという考え方に心打たれました。

日本語のメキシコのニュースというのは、麻薬や汚職、殺人などメキシコのあまりきれいではない部分だけを切り取ったものが多いです。どれも事実ではありますが、そういった情報が目に入りやすいため、両親や友人から留学を反対されたこともありました。ですが、ひとたび言語をスペイン語に変えて情報を集めるだけで、日本語では知ることのできなかった素敵な情報が手に入ります。もちろん、もっともっと暗い情報も知りましたが…。しかし、メキシコは、とても素敵な国でした。それを国内で最も話されているスペイン語を通して学ぶことができたことを幸せに感じています。たくさんの人に支えられて学んだ多くのことを、自分の研究だけでなく、南山大学、日本に返していけるよう、引き続き熱心に励みたいと思います。

写真:留学生オリエンテーションでのプエブラ観光
留学生オリエンテーションでのプエブラ観光