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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン195号No.2
南山ブレティン195号
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私の研究

写真:Domingos SOUSA 教授

諸文化・諸宗教間の対話や相互理解

Domingos SOUSA(ドミンゴス スザ)
人文学部 キリスト教学科 教授


専門分野は、「キリスト教神学」、「真宗学・仏教学」。
研究テーマは、「比較思想」、「親鸞とキェルケゴールの思想」。
主な担当科目は、「神学的人間論」「諸宗教神学」「宗教思想」。

私の研究領域は、キリスト教神学と真宗学・仏教学にまたがっています。その中心は親鸞とキェルケゴールの思想の比較研究です。これまで親鸞とキェルケゴールの思想を研究課題とし、比較思想の立場から二人の思想家によって提起された諸問題を取り上げて研究してきました。

今日の世界では、科学・技術が大きく進歩する一方で、貧富の格差や飢餓、地域紛争や環境破壊など多くの問題が生じています。この重大な危機に直面して、人類が必要とするのは、平和的共存のための新たな価値観、ビジョンの創出です。人間の生き方を根底から問い直さなければならない現代において、比較思想の研究は、宗教・文化摩擦の回避や平和の実現に重要な寄与をなすものです。しかし、比較思想に伴う危険もあります。洞察と知識を与えると、同時に誤りと歪曲をもたらしうるし、自分の利益を高めたり、筆者の著書『親鸞とキェルケゴールにおける「信心」と「信仰」』『日本におけるキリスト教』自分の主義をただ正当化するだけのために用いられたりすることもあり得るからです。これまでにも比較思想は、しばしば他の伝統の劣勢と自己の伝統の優位を示すために、用いられてきたこともありました。多様な価値観が存在する現代において、諸思想や諸文化・宗教のそれぞれ独自の立場を保持しながら、如何に対話や相互理解を推進すればいいのかは、極めて重要な課題であります。結局のところ、諸宗教・諸文化間の対話や相互理解は、理論的に解明すべき問題ではなく、実践的な課題であると言えましょう。