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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン191号No.5
南山ブレティン191号
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私の研究

写真:岡田 暁宜 人文学部 心理人間学科 教授

無意識の探究とその方法
―Sigmund Freudの“生きた遺産”―

岡田 暁宜  おかだ・あきよし
人文学部 心理人間学科 教授


専門分野は、精神分析学、力動精神医学、青年期精神医学、精神保健、心身医学。
長期研究テーマは、精神分析の実践について。

心の活動は脳内の生理学的事象の一つですが、心が思考し空想するものは生理学的現象ではありません。生物としての人間は、生命の運命に従って生きていますが、同時に内的世界の中で生きています。内的世界とは意識の及ばない無意識の世界でもあり、人間の言動は、その無意識によって突き動かされています。無意識の発見とその探求の方法は、Sigmund Freud(1856-1939)によるものであり、Nicolaus Copernicus(1473-1543)の「地動説」とCharles Robert Darwin(1809-1882)の「進化論」と同じく、人間の世界観に大きな衝撃を与えたと言われています。無意識の探求の実践は Freudが1910年に設立したThe International Psychoanalytical Associationとそこに所属する各国の分析協会を中心に、書籍:精神分析と文化Freudの死後75年が経った現在でもさらに発展を遂げています。その実践は一つの文化を形成しています。文化には、日本文化、学校文化、職場文化、病院文化、治療文化、地域文化、家庭文化、芸能文化など、さまざまな文化があり、そこには、生活や習慣に根ざした無意識の力動が存在します。人間は常にいくつもの文化に属しながら、意識的にも無意識的にも文化を体験しています。ある文化の中に身を置いてその文化を真に体験し、その文化をめぐる様々な力動を分析することは、無意識の探求の実践です。また異なる文化の者が出会い、一つの文化を形成しながら、それらの文化をめぐる力動を分析することも無意識の探求の実践です。無意識の探求の実践は、関わりながらの発見であり、創造でもあるでしょう。以上が私の研究の紹介です。