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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン189号No.6
南山ブレティン189号
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私の研究

都筑 満雄 法学部 法律学科 准教授

現代社会と契約法―自律と正義の間で

都筑 満雄  つづき・みつお
法学部 法律学科 准教授


専攻分野は「民法」「消費者法」「フランス法」。
研究テーマは「現代型取引の研究」「非典型契約の研究」。
主な担当科目は「契約法」「不法行為法」。

私は法律の中でも特に民法という法律を担当しています。民法は私的な生活関係に関する最も基本的な法律であり、人が生まれてから死ぬまでの間の、誕生、結婚(離婚?)、マイホーム購入のような契約、相続といった様々なイベントに関する重要なルールを定めています。このうち私は契約に関する民法を中心とするルール(契約法)を専門にしています。

契約は企業間の取引から私たちの日常の買い物まで社会の様々な場面で行われており、ビジネスにも生活にも欠かせません。そして社会は、その発展に伴い、日々新しい取引を求め、これに応えて人々は新しい契約を作り出していきます。こうした契約はしばしば複雑かつ高度なものですが、他方で私たちの手元にこれに対応したルールが常に用意されているわけではありません。写真:2007年に出版した現代型の複雑な契約に関する法的課題を考察した著書民法は100年以上前に作られた法律で、それがルールを定めている契約も売買などの基本的なものだからです。私のテーマはこうした現代社会に日々生ずる新しい複雑な契約について、主としてフランス法を参照して、民法その他の法律を解釈し、適切なルールを構築することです。とはいえ、当事者の自由なる創意工夫に委ねることが社会の発展に資するため、契約を過度に規制することは避けなければなりません。他方でゆきすぎた自由放任は強い当事者に過度に有利であるなど不適切な契約を野放しにします。契約は当事者の自由に委ねることを基本としつつ(自律)、新しい契約の拠るべき基準を手元にある民法などのルールを工夫して創造すること(正義)が、取引社会の健全な発展に資するものと思われます。