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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン185号No.6
南山ブレティン185号
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 私の研究
 
古代アンデス文明の研究
渡部 森哉 人文学部人類文化学科 准教授 渡部 森哉  わたなべ・しんや
人文学部 人類文化学科 准教授


専攻分野は「新大陸考古学」
長期テーマは、アメリカ大陸における国家社会と非国家社会の比較研究
主な担当科目は、考古学概論B、文化史A、考古学実習I・II。

 私は南米の古代アンデス文明の研究をしています。アジアやアフリカの文明と異なり、アンデスでは文字や貨幣が実用化されませんでしたが、インカ帝国に代表される巨大な国々が成立しました。一風変わったアンデス文明の特徴を解明するため、遺跡の発掘調査をし、インカ帝国の滅亡後書かれたスペイン語の文書を読みこんでいます。学問分野でいえば、考古学、文化人類学、歴史学の3つにまたがる研究です。
 ペルーで私がこれまで発掘調査を指揮した遺跡は5つ。いつも数名のペルー人考古学者と20名ほどの現地作業員とともに掘ります。インカ帝国(後15〜16世紀)の研究に一区切りつけ、現在はその祖型といわれるワリ帝国(後7〜10世紀)の地方行政センターの1つエル・パラシオ遺跡の発掘調査を開始しました。地面の下に埋もれているためその存在を知られていなかった遺跡を、発掘調査によって発見しました。100ヘクタール以上もある遺跡、ワリ帝国の最北端にある拠点です。イギリスからローマ帝国を眺めているような気分です。発掘すれば大量の遺物が出てきます。前回2012年の調査では実に6トン以上!土器などを少しずつ綿密に分析し、当時の人間集団の種類、技術、社会間関係などを解き明かしていきます。人類の歴史を数十年、数百年単位で見てみていると、一人の人生はちっぽけだなとつくづく感じます。
エル・パラシオ遺跡の発掘風景(2012年)
エル・パラシオ遺跡の発掘風景(2012年)
作業員たちと(2012年)
作業員たちと(2012年)