私が担当する「日本キリスト教史」は、日本という国家とそこに住む人びとが、日本文化にとって非常に異質な宗教であるキリスト教といかに向かい合ったかという問題を、キリシタン時代から現代までの時間幅で扱います。
授業の内容は、単に日本においてキリスト教がどのように展開されたかという歴史を時系列的に追っていくものではありません。二つの視点、一つは、日本が持っている日本という国家を成り立たせている論理、例えば豊臣秀吉や徳川家康が主張した「神国」というアイデンティティと唯一絶対神を信じるキリスト教の間ではどんな問題が生じたのか、もう一つは「隣人愛」というキリスト教に特徴的な愛の思想とその実践が、日本の人びとや社会にいかなる影響を与えたのかという視点から、日本とキリスト教の関わりを考察することを目指しています。
この授業を通して、歴史的に物事を見る、考えるということの楽しさと大切さを学生が実感してくれたなら、それにまさる喜びはありません。 |