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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン180号No.1
南山ブレティン180号
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特集 南山大学図書館 探訪

図書館長ご挨拶 「驚くべき作業場」

細谷 博(人文学部日本文化学科教授)

 夏目漱石の『三四郎』の主人公は、入学した大学の図書館で驚きます。どの本もみな誰かによって読まれている、と気づいて驚くのです。アフラ・ベーン(英国初の女性職業作家)の小説『オルノーコ』にまで誰かが読んだ「痕」があった、と。三四郎はいわば〈驚く青年〉ですが、はじめに名古屋駅頭での羞恥の場があり(これも面白い!)、やがて図書館での発見のくだりがあります。

細谷 博(人文学部日本文化学科教授)

三四郎が気づいたように、図書館の本は集められ、並べられ、そして読まれるものです。読まれることにより、書物はただのインクの染みから、個性ゆたかな言葉となって刻々と立ち現われて来る。まさに、そんな精神の作業の場が図書館であり、より良き作業場となるべく館員一同は日々努めています。しかし、何より図書館に必要なものは、利用者−読者なのです。すなわち、そこで書物と出会い、知識と出会い、さらには世界と出会う、あなた方なのです。

小林秀雄 『無常という事』
図書館長おすすめの一冊(表紙)

小林秀雄 『無常という事』

 大学四年の夏、一冊の文庫本、小林秀雄の『無常という事』を鞄につめて旅に出ました。進路に迷っていた頃です。就活を続けながら迷い、授業を受けながら迷い、友と語りながら迷っていました。生きることはそう難しくないようにも思われましたが、どう生きるかを決めることは、大変むずかしいことのように思えたのです。贅沢な悩みかも知れません、世間知らずの不遜もあったと思います。が、一夜、安宿のベッドの上で小林秀雄の言葉をたどっているうちに、いつか異様な感動に襲われ、気がついたときにはもう迷いは消えていました。否、迷うべき状態は依然としてあるのですが、それがもう心の迷いとしてではなく、いわばあるがままの事実として感じられたのです。すなわち、生きることの実質において「無常」は常なるもの、変わらぬものであると教えられ、あらためて「生きよ」とつよく押し出されたように感じたのです。

図書館の歴史・概要
E.ペリー女史

E.ペリー女史
(南山大学図書館 
  初代館長事務取扱)

 南山大学の前身が外国語専門学校であったことから、図書館も草創期から欧米のスタイルを取り入れていました。幕末に黒船で来航したペリー提督の孫、E.ペリー女史は、図書館の初代館長事務取扱として、アメリカの公共図書館の管理手法を導入しました。閲覧室の全開架制や欧米の分類方式の採用等は当時としては全国的にも珍しく、洋書が蔵書の半分以上占めていることも特徴的でした。全開架制や欧米の分類方式は現在行われていませんが、洋書の多さは今に続いています。2000年の瀬戸キャンパス新設と同時に瀬戸図書館ができ、10年以上を経た現在、名古屋図書館と合わせて、蔵書70万冊、雑誌1万5000種、電子ジャーナル2万タイトルを誇る図書館となりました。両図書館とも一般開放をしていますので、卒業生や南山関係者はもちろんのこと、一般の方もご利用いただけます。



名古屋図書館
瀬戸図書館
貴重資料

 南山大学図書館が所蔵する貴重資料は、「倫理神学大全」(フィレンツェの大司教アントニーヌスの神学書、15世紀後半、ドイツ)、「ローマ法大全」(ローマ法典の注釈・解説書、16世紀、フランス)、「リチャード・レインコレクション」(黒本・青本等の近世絵本のコレクション)、「ちりめん本」(日本の昔話の欧文絵本、明治時代)、「錦絵」(江戸末期)などがあります。これらの貴重資料は一般公開していませんが、名古屋図書館開催の企画展(年4回)で紹介することがあります。学外の方も閲覧できますので、これらの機会に是非ご覧ください。

広報誌紹介
デュミナス

南山大学図書館報『デュナミス』のロゴマーク



 図書館報は1988年4月に「南山大学図書館報」というタイトルで、モノクロ・B5版サイズ(現行:2色刷り・A4版サイズ)で創刊されました。第8号(1991年1月刊行)でギリシャ文字を使った「ΔYΝΑΜΙΣ(デュナミス)」という現在のタイトルが命名されました。「デュナミス」とは「力」 「可能性」を意味するギリシャ語で、無限の海をイメージしたイラストでタイトルを飾り、図書館の可能性を具現化しました。利用者の皆さんの役に立つ、また楽しんでいただける内容を図書館員で検討し、先生のお勧めの本や図書館に対する思い、または図書館利用情報など様々なコンテンツを掲載し、年2回(4月・10月)刊行しています。

カトリコス

南山大学図書館カトリック文庫通信『カトリコス』のロゴマーク


 「カトリコス(ギリシャ語で「普遍」という意味)」は、カトリック文庫通信として、1993年10月に創刊されました。「カトリック文庫」は、日本の近代におけるキリスト教の歴史を中心とした国内でも有数のコレクションです。このコレクションの資料やキリスト教に関連したテーマで、年1回発行しています。

広報誌は図書館Webページで掲載中
http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/TOSHOKAN/index.htm


貴重資料
名古屋図書館
授業日・試験期間の平日
(夏期集中講義期間を除く)
9:00〜22:15
上記以外の平日・土曜日 9:00〜20:00
授業・試験期間の日曜日 10:00〜17:00
瀬戸図書館
授業日・試験期間の月曜〜土曜日
(夏期集中講義期間を除く)
9:30〜21:00
上記以外の平日・土曜日 9:30〜19:00
授業・試験期間の日曜日 10:00〜17:00