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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン177号No.5
南山ブレティン177号
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 International Friendship
 相手に伝えること
小島 弘誉(数理情報研究科1年)

小島 弘誉
 2011年3月6日から3月19日の14日間、NICTA(NationalICTAustralia)でインターンシップを行った。
 NICTAとはオーストラリア政府によって2002年に設立された研究機関である。現在4つの都市に5つの研究所があり、700人を超える社員がいる。私はATP(AustralianTechnologyPark)研究所のビジネスプロセスと相互運用研究チームに参加した。
 インターンシップ先で行ったことは次の3つ。「ReadingGroup」「博士課程の学生による研究発表」「自分の研究発表」である。  ReadingGroupとは博士課程の学生が他の研究者の論文を発表し、その内容に対して参加者で議論を交わすことである。博士課程の学生1人、研究者3人、私の計5人が参加した。発表途中での質問が許されていることもあり、ほとんどの時間が議論に費やされた。そのため、ときには発表が終わりきる前に論文の提案が実現不可能だと結論づけられることもあった。
オーストラリアでの仲間と一緒に(筆者:左から3人目)
  博士課程の学生の研究発表では4名から研究発表を聞いた。1人の発表時間は質疑応答を含め1時間である。彼らの発表内容はクラウドコンピューティングが3人、Webサービスが1人であった。クラウドコンピューティングの研究発表者の多くはIaaS(InfrastructureasaService)レイヤーを研究領域にしていた。例えば、仮想マシン起動遅延を解消するための予測起動システムのアーキテクチャやサーバにあるアプリケーションをクラウドにレプリケーションする際のコストを計算するメトリクスなどの研究である。
 私の研究発表では学部での研究「SOAに基づくクラウド間連携アーキテクチャ」を発表した。発表時間は15分、質疑応答は10分である。発表前には研究者や博士課程の学生から発表の添削を受け、スライド1枚で2分発表するなど、NICTAのプレゼンテーションスタイルの指導を受けた。
  私はオーストラリアでのインターンシップを通して生活習慣から研究の考え方まで多くのことを経験した。特に私の研究を伝えることは難しく、その難しさから学んだことも大きかった。
 私は発表するまで、内容を美しい英語に直しさえすれば、私の研究を相手に伝えることができると思っていた。しかし、博士課程の学生や研究者から、たくさんの質問を受け、その質問の内容から私の研究内容や意味が伝わっていないことがわかった。このままでは終われないと思った私は質問をしてくれた研究者と博士課程の学生に発表時間とは別に議論する時間を作ってもらうことをお願いした。そして、彼らと1対1で話してやっと理解をしてもらえ、私の発表に足りなかったことについて気づくことができた。それは私が聞き手の研究領域と自分の研究層の違いを意識して発表していなかったということである。
実際に研究材料を提示し説明
  私は今、大学院で専門技術を学んでいるが、その知識を誰かに伝えるときには私と聞き手の違いを明確にし、それを踏まえ伝えるように意識している。また、インターンシップで出会った博士課程の学生と自分を比較することで自分を見つめ直し、大学院でより良い研究ができるように努めている。  最後に、NICTAのインターンシップに参加することができたのは指導教員の青山幹雄先生(情報理工学部ソフトウェア工学科教授)、HiroshiWada(NICTAResearcherScientist)、LimingZhu(NICTA SeniorScientist)、南山大学関係者の皆様のご協力があったからである。この場を借りて厚く御礼申し上げる。