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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン176号No.6
南山ブレティン176号
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 International Friendship
 「多種多様な文化が混ざり合うフランスで得たもの。」
有賀 笑(外国語学部フランス学科4年)

日仏会館主催コンクール主催関係者と記念撮影(授賞式にて)
フランス留学時代に現地の友人たちと
コンクールの表彰状を手に(筆者:大学にて)
 初めてフランスの地を踏んだのは2008年2月。凱旋門やエッフェル塔を思い描いていた私の目の前にまず広がったのは、パリ郊外の低所得者用団地だった。すでに郊外問題については学んでいたが、美しいとは言えないくすんだアパートが乱立している光景は衝撃だった。勿論滞在中、様々な美しい景色も見た。だが何よりも印象に残ったのは郊外の光景であった。
 3年後期からオルレアン大学に留学し、そこで多くの友人を得た。肌の色も文化的背景も様々だが、みんなフランス語を喋るフランス人。そして特に彼らをつなぐのが若者言葉だ。そこには移民の多い郊外から発信され、外国語の影響を受けた造語が含まれる。言語統制が厳しい国で、“郊外の若者言葉辞典”を見つけた時、私はその存在と語の豊富さに驚いたほどだ。
 郊外の若者言葉は美しい言語に対する脅威であり、非難の対象とされている。しかし、否定的な面しかないのだろうか。友人同士で外国語混じりの新語をつくって楽しんだことがあるが、よりしっくりくる言葉もあった。様々な国から集まった移民の多い国では次々に発展する若者言葉の現象も、多文化共生の賜物なのかもしれない…。私はフランスで多くの友人に囲まれ、この若者言葉の面白さに気づいたのである。郊外問題は複雑だし、それに対する人々の考えをすぐに変えることはできない。だがこの若者言葉の肯定的捉え方により、私の「郊外」の見え方は変わった気がする。帰国の際、以前はくすんで見えていた郊外の風景が少し明るく見えた。
 (財)日仏会館主催のコンクールでこの若者言葉についての発表をし、2位を受賞できたのも、この留学経験のおかげであり、ここまで支えてくださった全ての方に感謝している。