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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン173号No.7
南山ブレティン173号
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 私の研究
 よりよい外国語学習環境の構築を目指して
  太田 達也
 
太田 達也 准教授
おおた・たつや
外国語学部
ドイツ学科 准教授
専攻分野は「外国語教育学」「ドイツ語教育」「応用言語学」。
長期研究テーマは「日本語を母語とするドイツ語学習者の作文プロセスに関する実証的研究」。
短期研究テーマは「教員と学生のコラボレーションによるITを利用した外国語学習環境構築とその評価」「日本におけるドイツ語教員養成の現状把握と改善に向けての提言」。
主な著書は『NHK CDブック ラジオドイツ語講座 からだで覚える実践ドイツ語』(共著、日本放送出版協会)、『ドイツ語おもしろ翻訳教室』(単著、日本放送出版協会)、『ニューエクスプレスドイツ語』(単著、白水社)など。
担当科目は「ドイツ研究入門」「上級ドイツ語作文」「ドイツ語科教育法」など。

 私が従事している外国語教育学という学問は、第二言語習得研究や言語学、教育学、心理学など、外国語教育に関連する諸科学との交点に構築されつつある、比較的新しい学際的な分野です。外国語教育学では、外国語教授法や教材開発、言語習得に関するテーマだけでなく、学習環境デザイン、カリキュラム、言語政策、教員養成など、外国語教育についての広範囲に渡る問題を扱います。中でも私が現在特に取り組んでいるテーマは3つあります。
 1つめは、日本語を母語とするドイツ語学習者の作文プロセスに関する実証的研究です。教師というものはいったいどの程度、学習者の作文プロセスを正しく「理解」しているのでしょうか。この疑問に答えるためには、実際に学習者がどのようなプロセスを経て作文を行っているのかを記録し、その特徴と問題点を分析する必要があります。被験者となる学習者には、考えていることをすべて声に出しながら作文してもらいます。こうして、ふだんは覗き見ることのできない学習者の「頭の中」を少しでも垣間みようというのがこの研究の狙いです。
 2つめは、デジタル学習環境の構築です。近年の情報通信技術の発達により、外国語学習はまさに「いつでも、どこでも」できる環境が整いつつあります。例えばあなたはいまレストランにいるとします。すると、あなたの持っている端末の画面に自動的に「レストランでの会話例」が表示される、といったことも、もはや夢の話ではありません。私は現在、他大学の外国語教育研究者や情報技術研究者たちと共同で、こうした最新の技術を利用した外国語学習環境の構築研究に携わっています。
 3つめは、外国語(主にドイツ語)の教員養成・教員研修の現状に関する調査とその改善に向けての提言です。外国語教育をよりよくしていくためには、何よりも教員養成・教員研修の質的向上が最重要課題と言えます。外国語教育学の研究者として、この問題に積極的に取り組んでいくことも、私にとって重要な仕事であると考えています。