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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン172号No.9
南山ブレティン172号
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 私のクラス
 心理人間学演習「社会心理学ゼミ」
 メンタリングで3・4年が共に育つ
  津村 俊充
 
津村 俊充 教授
つむら・としみつ
人文学部
心理人間学科 教授
専攻分野は「人間関係トレーニング」「社会心理学」「教育心理学」。
長期研究テーマは「現代教育へのラボラトリー・メソッドによる体験学習の応用」。
短期研究テーマは「グループと個の成長」。
主な担当科目は「人間関係プロセス論(グループ・プロセス)」「ファシリテーター・トレーニング」「グループアプローチ」。
主な著書は『スクールカウンセリングと発達支援』(ナカニシヤ出版、2008年、共編著)。

 ゼミは3月末の春合宿から始まります。この合宿では新4年生は3年次研究を、新3年生はゼミで取り組みたい研究テーマを発表します。先輩の研究発表は、聞き慣れない用語が続出し3年生に強いインパクトを与えます。3年生が一年後の自分の目標を描く時になるようです。
 3年次の研究は、日常生活で疑問を感じる現象を取り上げ、従来の研究論文の探索とレビューを行い目的を明確にする作業から始まり、基本的に質問紙調査法を用いてデータ収集・分析による仮説検証を行います。4年次の卒業プロジェクトは3年次研究を生かし研究を深めます。テーマとしては、友人関係、異性関係や家族関係などを研究対象にしながら、対人関係における対人認知や対人行動に及ぼす個人の要因(対人不安、共感性、自尊心、アイデンティティなど)検討や集団や組織に関わる諸問題が扱われます。
 ゼミ運営の大きな特徴となっているのが、4年生(メンター)と3年生(メンティ)とがペアで行う一年間のメンタリング活動です。メンタリングとは、知識や経験が豊かな人(メンター)が未熟な人(メンティ)に対して、キャリア形成支援と心理・社会的な支援を一定期間継続的に行う活動を指します。3年生が研究活動への支援と学生生活全般にわたる支援を特定の4年生から一年間受ける仕組みです。
 メンタリングでは、3年生にとっては社会心理学ゼミ生として大学生活を充実すること、4年生にとっては一人の仲間を育てる体験を通して支援者としての態度とスキルを身につけ人間として成長することを目指しています。
 4年生は、「3年生からいろいろ質問を受けることで自分の不明瞭な部分を明確にすることができた」、「誰かがやるだろうからではなく私がやらなければという自覚・責任感が生まれた」、「相手のわからないことを察知したり聴いたりして援助するといった力が身についた」などと語ってくれています。3年生からは、「困ったときに先輩に質問しやすい」、「先輩との距離感が縮まり聞きやすい安心感と信頼感ができた」など授業へのフィードバックをもらっています。
 こうした体験を通して、科学的な探求心や研究力だけでなく、自ら学ぶ力、人の成長を支える力が育っていることを願っています。