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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン172号No.8
南山ブレティン172号
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 私の研究
 ものを意のままに操るには?
  陳 幹
 

陳  幹 准教授
ちん・かん
情報理工学部
システム創成工学科
准教授
専攻分野は「制御理論」。
長期研究テーマは「ロバスト制御系の解析と設計」。
短期研究テーマは「ディスクリプタ表現の冗長性を利用した安定解析と設計」。
主な担当科目は「物理学基礎」「回路理論」。

 制御理論という分野で研究しています。国語辞典(大辞泉)によると制御とは、1.相手を押さえて自分の思うように動かすこと。2.機械・化学反応・電子回路などを目的の状態にするために適当な操作・調整をすること。という意味ですが、制御理論はもちろん後者の立場にあります。一般の辞書に書いてある内容からもわかるとおり、「制御」の扱う分野はかなり広いですが、それぞれに固有の話をするのではなく、様々な分野で共通して利用できる理論を集めたものが制御理論です。現実の世界に存在する物理現象の多くは力学や電磁気学に強く依存し、それらの振舞は微分方程式で近似されることが知られています。制御理論は微分方程式を中心とした数学に基づく学問ともいえます。
 近年、二足歩行ロボットがテレビに登場するようになりました。ハードウェアとしての構造や外見に目を奪われがちですが、これらにも制御理論は使用されています。二足歩行ロボットのハードウェアとしての構造は人間の体を模したものであり、搭載された多数のモータで各関節を「適切に」動かすことで歩行などの動作が実現されます。すなわち、各モータの回転数や回転角度を適切に操作・調整できてはじめてなめらかで自然な歩行が可能となります。ロボットそのものの動作・振舞は力学を通して、運動方程式という微分方程式の一種で近似できることが知られています。また、モータの振舞(どれだけの電流・電圧を与えるとどれだけの回転力をだすのか?)も電磁気学を通して、やはり微分方程式で近似できます。それらの微分方程式の特性を調べ、どのような規則・アルゴリズムでモータに電流・電圧を与えると自然でなめらかな歩行ができるのかを数学的に探求する学問が制御理論といえます。
 ロボットに限らず、リニモや飛行機にも制御理論は使われています。学校を卒業すれば小難しい数学など必要ないという人もいますが、数学は役に立たない学問ではありません。通常の生活をしている範囲内では見えないところにうまく隠されているだけなのです。