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南山ブレティン170号
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2008年度決算・2009年度予算

教育・研究環境整備と財政基盤の強化に向けて
 2008年度は、2007年度と同様に既存施設、特に名古屋キャンパス施設の改修に重点を置いて予算執行を行った。ここ数年続いてきた大規模施設整備による財政面での都合により、先送りとなっていた計画を実施するためである。具体的には、防水工事、空調設備更新工事、情報機器・視聴覚機器の整備等である。いずれも教育研究環境の改善を目的として実施した。また、老朽化した設備を更新するための財源確保のため、積立金の増額を行った。
 本学では、「NANZAN bulletin」「南山大学概要」「南山大学Webページ」において財政状況を公開し、透明性確保に努めてきた。今回は、2008年度決算および2009年度予算について、財務諸表とともに説明させていただく。

2008年度決算について
 第1表は資金収支計算書で、1年間のすべての資金の流れを記録している。前年度繰越支払資金と次年度繰越支払資金の差額が、2008年度本学の諸活動の結果としての資金の増減である。2008年度は1,853,204千円の資金増加であった。資金収支計算書は、資金の動きがすべて収入・支出として計上されるので、繰越支払資金増加は自己資金増加に直結しない。しかし、本学では借入金の増加がないので、大半が自己資金の増加に結びついている。
 資金増加要因としては、収入面では、学生確保が順調であったことが大きい。本学は収入の大半を学納金収入が占めているからである。経常費補助金を始めとする補助金収入も、微減ではあったが、前年並みの額を獲得できた。補助金収入は、学納金収入と並ぶ収入の柱であり、獲得に向けて全学的に取り組んだ成果が収入額として表れた。
 支出面では、経費節減につとめたことにより主要科目である人件費、教育研究経費、管理経費とも、予算額を下回る決算額となった。
 第2表は、消費収支計算書である。純資産の増減をもたらす収入・支出のみが計上されること、資金の移動を伴わない収入・支出も計上されること等が資金収支計算書と異なる。純資産の増加をもたらす収入(帰属収入)から、基本金組入額(設備投資、積立金、各種基金等に充当する費用)を控除した額を消費収入とし、これと純資産の減少をもたらす消費支出との間での均衡状況を表している。2008年度は、982,552千円の収入超過決算(=純資産の増加)となっており、これが1年間で増加した純資産の額となる。増加の要因は、資金収支計算書における支払資金の増減要因とほぼ同様である。支払資金の増加額と純資産の増加額の差異については、実質的には減価償却額(2008年度は約1,190,000千円)が大半である。減価償却額は資金の移動を伴わない支出であり、資金は内部留保され、支払資金は減少しない。
 学納金と補助金が収入の大きな柱であることは前述したが、消費収支計算書ではこれらが帰属収入に占める割合をそれぞれ学納金比率、補助金比率で表す。2008年度は学納金比率76.1%、補助金比率9.0%となっており、この2科目で帰属収入の約85%を占めている。
 第3表は、貸借対照表であり、2008年度末時点での本学の資産状況を表すとともに、2007年度末時点との対比を行っている。資産の部を見ると、有形固定資産が813,989千円減少している。2008年度も機器等の取得による教育研究環境整備や、各種修繕工事を実施したが、執行金額や工事形態の理由により資産化せず、貸借対照表の有形固定資産に反映されないものが多いからである。結果的に、減価償却計算により有形固定資産額が減少しているが、施設設備が実質的に減少しているわけではない。具体的には、2008年度減価償却額は1,190,521千円となっており、有形固定資産の減少額を上回っている。その他の固定資産の増加は、第2号基本金(将来計画のための積立金)の特定預金として管理している特定資産の増加である。2008年度は将来計画を見据え、組入額を2007年度に比べ300,000千円増額した。
 負債の部では、借入金が、長期借入金、返済期限が1年以内の長期借入金ともゼロとなった。唯一残っていた1989年度J棟建設時借入金の返済が2008年度で終了したからである。
 学校法人では基本金と消費収支差額を合算したものを自己資金としている。これが総資産に占める割合で財務状況が把握できるが、本学の場合は2008年度末時点で90%を超えており、健全な財務状況であると言える。繰越消費支出超過額も2008年度末で892,597千円となっており、2000年度以降の将来構想実施により最大となった2003年度(7,602,835千円)の12%まで縮小した。

第1表 2008年度 資金収支計算書 (2008年4月1日から2009年3月31日まで) (単位:千円)
収入の部
科目 予算額 決算額
学生納付金収入
(授業料)
(入学金)
(実験実習料)
(教育実習料)
(施設設備費)
手数料収入
(入学検定料)
(その他の手数料)
寄付金収入
補助金収入
資産運用収入
資産売却収入
事業収入
雑収入
前受金収入
その他の収入
資金収入調整勘定
前年度繰越支払資金
10,598,338
(7,339,491)
(1,184,990)
(87,174)
(3,693)
(1,982,990)
807,524
(697,506)
(110,018)
248,977
1,186,781
276,801
100
220,240
292,182
2,254,183
2,014,516
△ 2,597,865
20,535,517

10,585,468
(7,337,660)
(1,185,630)
(79,832)
(3,680)
(1,978,666)
754,072
(643,640)
(110,432)
253,130
1,248,198
556,446
52
205,152
293,307
2,194,636
2,078,201
△ 2,688,467
20,535,517

収入の部合計 35,837,294 36,015,712
 
支出の部
科目 予算額 決算額
人件費支出
(教員人件費)
(職員人件費)
(退職金)
教育研究経費支出
管理経費支出
借入金等利息支出
借入金等返済支出
施設関係支出
設備関係支出
資産運用支出
その他の支出
法人本部費配賦額
資金支出調整勘定
次年度繰越支払資金




6,544,820
(4,494,907)
(1,675,413)
(374,500)
3,029,970
837,918
3,015
33,330
127,648
233,334
1,000,000
2,079,970
593,410
△ 283,759
21,637,638
6,333,407
(4,393,039)
(1,577,526)
(362,842)
2,777,996
810,853
3,011
33,330
127,352
244,743
1,000,000
2,078,505
532,366
△ 314,572
22,388,721
支出の部合計 35,837,294 36,015,712
(注)予算額は補正予算額。

第2表 2008年度 消費収支計算書 (2008年4月1日から2009年3月31日まで) (単位:千円)
消費収入の部
科目 予算額 決算額
学生納付金
手数料
寄付金
補助金
資産運用収入
資産売却差額
事業収入
雑収入
10,598,338
807,524
249,104
1,186,781
276,801
1
220,240
292,644
10,585,468
754,072
259,782
1,248,198
556,446
1
205,152
293,986
帰属収入合計 13,631,433 13,903,105
基本金組入額合計 △1,095,818 △1,310,182
消費収入の部合計 12,535,615 12,592,923
(注1)予算額は補正予算額。
 
消費支出の部
科目 予算額 決算額
人件費
教育研究経費
  (内、減価償却額)
管理経費
  (内、減価償却額)
借入金等利息
資産処分差額
徴収不能引当金繰入額
法人本部費配賦額


6,475,422
4,074,570
(1,044,600)
984,918
(147,000)
3,015
6,794
0
593,410
6,287,375
3,821,906
(1,043,637)
957,681
(146,884)
3,011
8,032
0
532,366
消費支出の部合計 12,138,129 11,610,371
当年度消費収入(△支出)超過額 397,486 982,552
前年度繰越消費収入(△支出)超過額 △1,875,149 △1,875,149
基本金取崩額 0 0
翌年度繰越消費収入(△支出)超過額 △1,477,663 △892,597

第3表 貸借対照表 (2009年3月31日現在) (単位:千円)
科目 2008年度末 2007年度末 増減
資産の部
固定資産
有形固定資産
 土地
 建物
 構築物
 教育研究用機器備品
 その他の機器備品
 図書
 車両
 建設仮勘定
その他の固定資産
 電話加入権
 施設利用権
 長期貸付金
 差入保証金
 退職給与引当特定資産
 南山大学名古屋C施設整備資金
 南山大学瀬戸C施設設備整備資金
流動資産
 現金預金
 未収入金
 短期貸付金
 立替金
 前払金
 貯蔵品
24,771,259
22,146,038
1,380,885
13,714,773
807,397
466,774
30,516
5,677,351
68,342
0
2,625,221
5,162
294
338,705
8,390
140,000
1,432,670
700,000
22,748,361
22,388,721
272,963
0
150
83,874
2,653
24,663,806
22,960,027
1,380,885
14,326,880
922,677
652,161
28,679
5,569,940
78,805
0
1,703,779
5,162
6,534
411,023
8,390
140,000
732,670
400,000
20,791,394
20,535,517
182,366
0
150
70,862
2,499
107,453
△813,989
0
△612,107
△115,280
△185,387
1,837
107,411
△10,463
0
921,442
0
△6,240
△72,318
0
0
700,000
300,000
1,956,967
1,853,204
90,597
0
0
13,012
154
資産の部合計 47,519,620 45,455,200 2,064,420
負債の部
固定負債
長期借入金
退職給与引当金
長期預り金
流動負債
返済期限が1年以内の長期借入金
未払金
前受金
預り金
1,232,669
0
1,016,697
215,972
2,820,148
0
243,710
2,194,635
381,803
1,274,400
0
1,062,729
211,671
3,006,731
33,330
212,898
2,415,503
345,000
△41,731
0
△46,032
4,301
△186,583
△33,330
30,812
△220,868
36,803
負債の部合計 4,052,817 4,281,131 △228,314
基本金の部
第1号基本金
第2号基本金
第3号基本金
第4号基本金
35,937,862
2,132,670
5,511,768
777,100
35,703,244
1,132,670
5,458,704
754,600
234,618
1,000,000
53,064
22,500
基本金の部合計 44,359,400 43,049,218 1,310,182
消費収支差額の部
翌年度繰越消費収入(△支出)超過額 △892,597 △1,875,149 982,552
消費収支差額の部合計 △892,597 △1,875,149 982,552
負債の部、基本金の部、消費収支差額の部合計 47,519,620 45,455,200 2,064,420
(注記)
1. 重要な会計方針 (1)引当金の計上基準 徴収不能引当金・・・長期貸付金の徴収不能に備えるため、徴収不能実績率に基づき、徴収不能見込額を計上している。
退職給与引当金・・・退職金の支給に備えるため、期末要支給額 4,638,036,300円の40%を基にして、私立大学退職金財団に対する掛金の累積額と交付金の累積額との繰入調整額を加減した金額を計上している。
(2)その他の重要な会計方針 有価証券の評価基準及び評価方法・・・移動平均法に基づく原価法である。 所有権移転外ファイナンス・リース取引の処理方法・・・リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナンス・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理によっている。
2. 減価償却額の累計額の合計額 13,784,952,246円
3. 翌会計年度以後の会計年度において基本金の組入れを行うこととなる金額 344,505円
4. その他財政および経営の状況を正確に判断するための必要な事項 (1)偶発債務 下記について債務保証を行っている。南山大学学生(卒業生)の奨学金銀行ローン 407,053,654円 (2)所有権移転外ファイナンス・リース取引 通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っている所有権移転外ファイナンス・リースは次のとおりである。
 
  リース資産の種類
リース料総額
未経過リース料期末残高
  教育研究用機器備品  47,212,200円      23,690,700円
  ソフトウェア  4,510,800円      2,727,720円
  車両  10,798,200円      5,193,300円

第4表 財務比率
消費収支関連
比率 計算式 南山大学 他大学 評価
2006年度 2007年度 2008年度 2007年度
人件費比率
人件費依存率
教育研究経費比率
管理経費比率
借入金等利息比率
学生生徒等納付金比率
補助金比率
基本金組入率
減価償却費比率
人件費/帰属収入
人件費/学生納入金
教育研究経費/帰属収入
管理経費/帰属収入
借入金等利息/帰属収入
学生納入金/帰属収入
補助金/帰属収入
基本金組入額/帰属収入
減価償却額/消費支出
43.0%
58.5%
24.9%
6.7%
0.1%
73.5%
9.1%
6.5%
9.1%
43.2%
59.7%
25.1%
6.5%
0.1%
72.4%
8.9%
6.2%
9.6%
45.2%
59.4%
27.5%
6.9%
0.1%
76.1%
9.0%
9.4%
10.3%
50.1%
62.7%
29.8%
7.7%
0.5%
80.0%
8.2%
12.1%
10.8%









帰属収入に対する比率
比率 南山大学(2008年度) 他大学文他複数学部(2007年度)
人件費
教育研究経費
管理経費
その他の消費支出額
基本金組入額+消費収支差額
45.2%
27.5%
6.9%
3.9%
16.5%
50.1%
29.8%
7.7%
3.0%
9.3%

貸借対照表関連
比率 計算式 南山大学 他大学 評価
2007年度 2008年度 2007年度
自己資金構成比率
消費収支差額構成比率
流動比率(※)
減価償却比率
総負債比率
負債比率
自己資金/総資金
消費収支差額/総資金
流動資産/流動負債
減価償却累計額/減価償却資産取得価額
総負債/総資産
総負債/自己資金
90.6%
△4.1%
320.5%
35.4%
9.4%
10.4%
91.5%
△1.9%
611.2%
47.7%
8.5%
9.3%
87.2%
△4.6%
251.2%
41.8%
12.8%
14.7%





(※) 南山大学の流動比率は流動資産から第3号基本金額を差し引いた額を分子とした。
(注) 他大学の数値は、日本私立学校振興・共済事業団平成20年度版「今日の私学財政」より、消費収支関連については文他複数学部の大学部門の平均を、貸借対照表関連は文他複数学部を有する大学法人の法人全体の平均をそれぞれ掲載した。評価は、それぞれの大学の特殊性があり一概にはいえないが、一般的には「↑」は数値が高い方がよく、「↓」は数値が低い方がよく、「〜」はどちらともいえないとされている。
自己資金=基本金+消費収支差額 総資金=負債+基本金+消費収支差額 総負債=固定負債+流動負債

2009年度予算について
 2009年度は、退職給与引当金の計算方法を変更したことにより、過年度調整分として277,776千円の追加繰入が必要となる。これまで以上に必要性を精査して事業を実行していかなければならない。また、2011年度に南山短期大学を短期大学部に名称変更する計画に合わせて新校舎の建設に着手する。その他の主な事業としては、以下を予定している。
1.名古屋キャンパス中央監視システム取替工事
2008年度に引き続き補助金を受けて実施する。キャンパス全体の電気設備、空調機器等を集中監視・管理することにより、光熱水費を削減することが可能となる。
2.LL教室改修
現在4教室に設置されているLL設備のうち、2教室分をマルチメディアシステムに更新する。
3.次期事務システム構築
学生サービスの向上と業務効率化を目指し、新たな事務システムを構築する。2008年度からの継続事業であり、2010年度の稼働を予定している。

第5表 2009年度 資金収支予算書 (2009年4月1日から2010年3月31日まで) (単位:千円)
収入の部
科目 予算額
学生納付金収入
 (授業料)
 (入学金)
 (実験実習料)
 (教育実習料)
 (施設設備費)
手数料収入
 (入学検定料)
 (その他の手数料)
寄付金収入
補助金収入
資産運用収入
資産売却収入
事業収入
雑収入
前受金収入
その他の収入
資金収入調整勘定
前年度繰越支払資金
10,671,827
(7,404,857)
(1,171,570)
(92,645)
(3,813)
(1,998,942)
809,170
(700,451)
(108,719)
197,054
1,170,997
192,430
100
193,392
276,807
2,252,873
1,979,294
△ 2,435,787
22,388,721
収入の部合計 37,696,878
 
支出の部
科目 予算額
人件費支出
(教員人件費)
(職員人件費)
(退職金)
教育研究経費支出
管理経費支出
借入金等利息支出
借入金等返済支出
施設関係支出
設備関係支出
資産運用支出
その他の支出
[予備費]
資金支出調整勘定
法人本部費配賦額
次年度繰越支払資金
6,646,146
(4,623,162)
(1,663,984)
(359,000)
3,042,880
804,759
1,398
0
78,396
288,278
1,000,000
2,073,802
27,026
△ 329,043
523,497
23,539,739
支出の部合計 37,696,878

第6表 2009年度 消費収支予算書 (2009年4月1日から2010年3月31日まで) (単位:千円)
消費収入の部
科目 予算額
学生納付金
手数料
寄付金
補助金
資産運用収入
資産売却差額
事業収入
雑収入
10,671,827
809,170
198,054
1,170,997
192,430
1
193,392
276,836
帰属収入合計 13,512,707
基本金組入額合計 △1,255,763
消費収入の部合計 12,256,944
 
消費支出の部
科目 予算額
人件費
教育研究経費
 (内、減価償却額)
管理経費
 (内、減価償却額)
借入金等利息
資産処分差額
徴収不能引当金繰入額
[予備費]
法人本部費配賦額
6,783,452
3,884,080
(841,200)
943,559
(138,800)
1,398
5,301
0
27,026
523,497
消費支出の部合計 12,168,313
当年度消費収入(△支出)超過額 88,631
前年度繰越消費収入(△支出)
超過額
△892,597
翌年度繰越消費収入(△支出)
超過額
△803,966
(注)予算額は補正予算額

 本学では、私立大学としての公共性と説明責任を認識し、従来から財務改善に努めるとともに、財務状況を広く公表してきた。今後もこの方針を維持していく所存であり、ご理解、ご支援を賜りたい。
(大学事務部長 蒔田 一)