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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン166号No.7
南山ブレティン166号
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 私のクラス
 「対審形式」の演習で議論する力を養う
伊藤 司
 



伊藤 司 教授
いとう・つかさ
法務研究科
教授
専攻分野は「民法」。
長期研究テーマは「家族財産の法的取扱」「金利制限のあり方についての研究」。
短期研究テーマは「内縁夫婦財産の法的取扱」。
主な著書は「法律用語辞典(第3版)」
(共著、法学書院、2008年)など。
担当科目は「私法入門」「契約法」「家族法」など。

 私の専門は民法ですが、今回は、学部のミドル演習とアドバンスト演習を紹介します。
 2年生対象のミドル演習では、民法解釈の基礎的な力を養うために民法の基本的な判決を素材として勉強します。3年生対象のアドバンスト演習は、最新の判決を素材とし、民法についての基礎的な知識をもとに、それを応用して複雑な問題を解決できるようになることを目的としています。
 このように2つの演習は異なっているのですが、実はその進め方はほぼ同じです。秋学期の「対審形式」での演習をご紹介しましょう。この形式では、ある判決について裁判官役さらには原告および被告の代理人役を決め、実際の法廷そっくりな教室を使います。まず、最初に裁判官役を司会として事実関係を確認し、代理人役でない学生たちで、原告の立場あるいは被告の立場のどちらを支持するかについて投票をします(第1回投票)。
 その後、代理人役の学生がそれぞれの立場で弁論を行います。この両代理人役の弁論のあとに全員で議論をします。ときには代理人役でない学生から鋭い指摘がされることもあります。議論がつきたところで第2回目の投票が行われます。このゼミでは弁論の優れた方を勝ちとするため、単純な多数決ではなく2回ある投票の結果を比較して、第2回目の投票結果で第1回目よりも票数を増やした方を勝ちとします。
 このような方法をとることによって、裁判官役は議論(弁論)を円滑に進めるための工夫が必要となり、代理人役の学生は、相手方の言い分を理解した上でそれに的確に反論をすることが求められます。さらに、投票をする学生たちは、どんな事件にも異なる立場があることを理解し、そのうえで自分の見解をまとめることになります。このような議論をする力は、卒業後もきっと役立つはずです。この力を楽しみながら向上させていくことを目的にこのような進め方をしているのです。