南山大学
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南山ブレティン165号
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2008年4月、ミカエル・カルマノ人文学部教授が第6代南山大学長に就任した。南山学園理事長を任期満了で退任し南山大学長に就任した今、カルマノ学長が思う南山大学像、学生像を聞いた。

本当の「選び」のはじまり
 2008年4月1日、南山大学長になってはじめての新入生を迎えました。入学式の席でも申し上げたのですが、学生には南山大学を選択した意味を常に考えて欲しいと思っています。皆さんは数多くの大学の中から南山大学を選択しました。この「選択」を通じた決断、すなわち「選び」は南山大学への入学で終了ではなく、必ず何かの目的につながっているはずです。南山大学で何を目的に勉強し、どこへ向かって進んでいくのか。私は学生一人ひとりが自分で考える力を持ち、自分自身と他者の尊厳を尊重し、その中でやりたいことを見つけ努力していって欲しいと思っています。
 また、学生には、学校から与えられた授業・課題をそのまま受けるだけでなく、批判的な意見もどんどんぶつけて欲しいと思っています。現状をそのまま受け入れるのではなく、現状を批判することで、自分が何を知りたいのか、何を勉強したいのかという目的意識をより強固に持つことができるでしょう。南山大学への入学はひとつの出発点であり、ここから本当の「選び」がはじまります。そのことをしっかりと心に留めておいてください。

個の力を、世界の力に。
  南山大学は、キリスト教世界観に基づく学校教育を行ない、人間の尊厳を尊重かつ推進する人材の育成を建学の理念としています。そして、その具体的な方向性を与えるために「Hominis Dignitati(人間の尊厳のために)」という教育モットーを掲げています。この建学の理念を具現化する施策として、本学は、昨年、20年後の将来像(グランドデザイン)を策定し、その中で本学のビジョンを「人種、障がい、宗教、文化、性別など、様々な違いを認識し、多様性を前提とした人間の尊厳、他者の尊厳を大切にし、人々が共生・協働することで、新たな価値の創造に貢献する」と定めました。さらに、このビジョンを端的に表す言葉として、「個の力を、世界の力に。」をキーフレーズとしました。多様性を尊重する新たな価値の創造は、今後、世界的にも重要な価値観のひとつとなるでしょう。人間の尊厳−自分自身と他者の尊厳−を尊重し、それを推進していく人々が共生・協働することにより「個の力」が結集され、それが人類の発展に貢献できる「世界の力」となりえます。この実現に向けて、本学は、すべての構成員の「個の力」を充実させることに努めてまいります。
 南山大学に入ると、「人間の尊厳のために」という言葉に何度も出会います。それはなぜでしょうか?それは、学生の皆さんに、自分自身が、何を目指して何のために、この南山大学で学ぶかについて常に考えてほしいからなのです。「人間の尊厳のために」という言葉に込められた大切なメッセージ −勉強だけではなく、自分自身の今後の人生を、社会や人類にどのように役立たせることができるのか− ということに思いを馳せ、私たち教員に知らせて欲しいと思います。私たちが学生の皆さんの成長を手助けし、教え導くことができますように。

自ら学べる環境作り
 学生一人ひとりの「個の力」を伸ばしていくために、学生自らが自分の潜在能力に気づく教育環境、その力を十分に発揮できる場を整えることが大切だと考えています。南山大学は南山外国語専門学校を前身としてスタートしており、開学以来、語学教育には力を入れてきました。そのことは「語学の南山」と言われる世間の評判からもおわかりだと思います。近年でも「学ぶ英語」から「使える英語」を目標として、英語教育センターを開設し、習熟度別クラス編成の全学的導入をはじめ、施設内では外国語しか使ってはいけないという「ワールドプラザ」の設置など、学生が自主的に外国語を使える環境を整備しています。私の経験からも語学は時間をかければかけるほど上達します。しかし、授業で語学を教える時間は限られているため学生は自主的に学ぶ必要があります。そのための「自ら学べる環境作り」、これが大切であると考えています。

世界と渡り合える知識と意識を備えた人材に
  グランドデザインでは、「世界で選ばれる大学」「世界に人材を輩出できる大学」を実現していくことが謳われていますが、本学の教育が世界に通じるものとなるためには、「南山の国際性」の現状を真摯に捉え直し、戦略的な取り組みを実践していかなければならないと考えています。その取り組みのひとつとして、現在外国語学部などで実施されている外国語を教授言語とする講義科目を全学部に導入し、最終的には各学部における授業の10%程度は外国語で学ぶ授業にしたいと考えています。また本学には多くの外国人留学生、外国人教員が在籍しているほか、語学教育の一環として、総合政策学部の南山アジアプログラム(NAP)や外国語学部の実習科目のように、一定期間外国で学ぶプログラムがあります。机上での勉強に加え、実際に異なる文化、異なる考え方を持つ人と交わることで、文化の違いだけでなく個人の違いも大きいことを知ることができるでしょう。今後本格的な異文化交流を全学的に推進し、学問分野に捉われない国際交流を実現することで他大学と差別化した国際交流プログラムを開発していきたいと考えています。このように、南山の「国際性」という現有資産を活かした環境整備をさらに進め、学生の皆さんには世界と渡り合える知識と意識を備えた人材に育っていって欲しいと願っています。
学長からのメッセージ http://www.nanzan-u.ac.jp/Menu/president/index.html
学長からのメイルマガジン http://www.nanzan-u.ac.jp/magazine/index.html
Michael Calmano Michael Calmano
1948年7月23日生まれ。ドイツ連邦共和国(旧西ドイツ)ヘッセン州リンブルク出身。ドイツの神学校・南山大学文学部神学科(現在人文学部キリスト教学科)で神学を学び、アメリカで教育学の博士号を取得。1975年司祭叙階。1984年から南山大学にて教鞭を執る。2008年4月、南山大学学長に就任。内外カトリック教育の各種要職を兼任し、多忙な日々を送る。趣味は、クラシック音楽鑑賞と読書。