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南山大学ホーム日本語トップ総合案内南山ブレティン163号No.5
南山ブレティン163号
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 私の研究
 日韓間の国際私法
青木 清
 
韓国家族法入門
最初の著書(共著)
「韓国家族法入門」(有斐閣、1986年)
青木 清 教授
あおき・きよし
法学部 法律学科
教授
専攻分野は「国際私法」「韓国法」
長期研究テーマは「日韓渉外家族法」。
近著は「渉外戸籍法リステイトメント」(共著2007年)など。
担当科目は「国際私法」など。

 「私の研究」を紹介する前に、私の専攻分野である国際私法のお話を、まずはさせていただく。例えば、日本に住んでいる甲国籍の外国人Aさんが日本で死亡し、日本においてその相続問題が発生したとする。そこでは、当然、誰が相続人となるか。さらには、その相続分はどれぐらいか、といったことが問題となる。日本人が死亡してその相続が問題となれば、これらはいずれも日本の相続法によって解決されることになる。ここでのポイントは、死んだ人が日本人ではなくて、甲国人だったということである。つまり、外国人がその法律問題に関わっているという点にある。
 こうした場合、わが国の法制度は、当該法律問題に関係する諸国(甲国や日本、さらにはその他の国)の法の内から最も密接な法を選んで、これを適用し解決する。このケースで言えば、甲国の相続法により、これを解決する。それは、Aさんの配偶者や子どもたちすべてが日本人であっても同様である。要するに、外国人が関わる相続については、亡くなった人の国籍国の相続法によってこれを解決する、というのがわが国のルールである。この種のルールを定めているのが、私の専攻する国際私法という法分野である。法律の名を「法の適用に関する通則法」という。関係諸国の法の中から最も適切な法を選んで適用し解決する、という構造は、何も相続問題に限らない。その他の事件でも、さらには関係者の国籍国がどこであっても、基本的には同じである。
 私は、こうした国際私法上の問題のうち、日本と韓国の間で生ずる法律問題を研究している。それは、日本に住む外国人の中では、圧倒的に韓国人が多いからである。そして、上記国際私法の構造から、日本の裁判所ではしばしば韓国法の適用が問題となる。このため、私は、国際私法固有の問題とともに、韓国法固有の問題も研究している。というのも、このような状況があるにもかかわらず、わが国には、韓国法を本格的に研究する者が極めて少ない(私が院生の頃まではほとんどいなかった)からである。