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162号
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No.7
この号のCONTENTS
ブレティントップ
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私の研究
労働問題研究と構想力
藤原 道夫
ふじわら・みちお
総合政策学部
総合政策学科
教授
専攻分野は「経営労務論」「労使関係論」
長期研究テーマは「環境変化の下での人事労務管理の変化」。
主な著書は「中部産政研設立十周年記念研究
トヨタグループの労使関係−その歴史と考え方−」
((財)中部産業・労働政策研究会、1998年)など
担当科目は「モダンの系譜(労働観の変遷)」
「産業文明論」「総合政策論 (人的資源論)」
「経営労務論」など。
企業社会の歴史をふりかえってみると、制度を変えなくてはならないときになかなか変えることができなかったり、あるいは前後の明白な脈絡がなく制度が変わったりすることがある。私の研究の具体的な関心は、ホワイトカラー労働者に関する人事労務管理諸制度のあり方と、企業内労働組合の機能である。この二つの領域にもそのようなことが多い。
日本の人事労務管理諸制度は、近年、いくつかの変更が加えられているものの基本的には、男性生産労働者の働き方をモデルに作り上げられてきた。この人事労務管理制度の変化の方向を見ることが研究テーマの一つである。人事労務管理のいくつかの側面では変わったものの、日本の企業があくまでも残そうとしているものは何なのか、制度はどこまで変化しうるのかということについて関心をもって研究を続けている。
過去に行われた議論を見ていくうちに、従業員の「能力発達」に対する見方が大きな役割をはたしていることに気がついた。この「能力発達観」が従業員の格付けに関する制度設計と平行していることが明らかになってきている。
労働組合については、労使協力の思想の展開について研究している。労使協力を選択するには、さまざまな条件があったはずであるし、また、労使協力を継続させるのにも努力が必要なはずである。組織形態が労使協力を一義的に規定しているわけではない。
このような関心に基づいて、関連する個別テーマについて研究をしている。現状を単に描写するのではなく、意味を持つような視覚から記述、分析するには、社会科学的な「構想力」を持たなくてはならない。そして、この構想力は、微細ではあるが重要な質的変化と歴史の段階的発展を見つけ出す能力と密接に関連しているようである。