出会いのきっかけは、学内掲示板の1枚の張り紙だった。『南山寮交流』。それは児童養護施設「南山寮」の子どもたちと地域在住の留学生とのこころの交流を目的に、日本学生支援機構(JASSO)が主催して行う恒例イベントのお知らせであった。2006年は7月から5ヶ月にわたり毎月1回行われた。
参加者はフィリピンやタイ、中国、インドネシア、シリアからの留学生5人と幼稚園児から高校生までの児童養護施設の子どもたち30人。フィリピンからの留学生、APOLLO ALEPANDER J. QUIRANTEさん(総合政策学部3年)も張り紙を見て参加した1人だ。子どもが好きで、日本の子どもたちにもっと自国のことを知ってもらいたいと願ってのことだった。自己紹介では緊張したものの、フィリピン語でも挨拶をし、自国の花や鳥、自然などをスクリーンで紹介、また実際に生花の色や香りに触れさせるなど、五感から子どもたちを大いに楽しませた。初めて目にするパイナップルの葉から作られるバロンタガログと呼ばれる珍しい自国の民族衣装にも、子どもたちは興味深く見入っていた。「フィリピンのジャンケンも一生懸命覚えてくれて感動した。この交流で私たちの国への理解を深めてくれたのでは。」と振り返る。
子どもたちとの思い出は尽きない。一緒に老人ホームで訪問喫茶店を開きドリンクやお菓子をふるまい、ともに歌い、話に花を咲かせ盛り上がったこと。覚えたてのフィリピン語で「マガンダン ハポン!(こんにちは)」と挨拶してくれる子どもが印象的で嬉しかったこと。自身も日本の伝統的な遊びや折り紙、輪投げなどを子どもたちから教わり、日本文化についての理解を深めた。最終日には記念樹林を行い、一生忘れられない大切な思い出を胸に刻んだ。
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