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南山ブレティン159号
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 特集 Feature Article
 南山法科大学院から5名合格

9月21日、法科大学院の課程を修了した者を対象に実施された新司法試験の初年度合格者が法務省より発表された。今年度受験したのは、2004年4月に法学既修者として法科大学院に入学し、今年3月に2年コースを修了したうちの2,091名で、1,009名が合格した。南山法科大学院からは5名が合格した。今回、合格された法科大学院修了生の体験談を交え、総務担当・将来構想担当副学長の丸山雅夫教授に話を伺った。
丸山 雅夫
総務担当・
将来構想担当副学長
法科大学院教授
丸山 雅夫

磯貝 隆博
磯貝 隆博
大学3年頃から司法試験の勉強を開始。その後、予備校に通い勉強するが、結果は振るわず、2004年4月、南山法科大学院の法学既修者コースに入学。2006年3月修了、5月に新司法試験を受験。   平林 奈純
平林 奈純
大学卒業後、一般企業での職務経験を経た後、2001年1月、予備校に通い司法試験の勉強を開始。2003年、択一試験に合格するが、論文試験の結果は振るわず、2004年4月、南山法科大学院の法学既修者コースに入学。2006年3月修了、5月に新司法試験を受験。

Q1 まず、初の新司法試験を終えて、感想をお聞かせください。
A1 丸山 何よりも、全国平均を若干上回る合格率を出せたことを素直に喜びたいと思います。他大学のいくつかが、新試験に合格する可能性の高い既修学生を種々の方策で取り込んだのに対して、真っ向勝負による結果は誇ってよいでしょう。学生個人の努力の成果であることは勿論、学生を支えてきた教員、事務職員、関係者の寄与も大きかったと感謝しています。ただ、法科大学院の真の実力が問われるのは標準コースの学生が新試験を受験する来年以降であり、今後とも地道な努力を続ける必要性を痛感しています。

Q2 南山法科大学院に入学して、いかがでしたか。
A2 磯貝 理論と実務の架橋という法科大学院の理念に基づいて、この両面からの教育がなされていると感じました。理論面では、大学教授の先生の授業により法律を基礎からしっかりと学ぶことができ、実務面では、弁護士、検察官、裁判官などの実務家の先生から、学んだ法律をどのように使うのか、具体的な問題を検討しながら学ぶことができました。そして、理論的にも実務的にも難しい問題に直面したときには、大学教授の先生と実務家の先生とが意見を交換し合い、学生もこの議論に参加することにより、より高いレベルで問題を検討する能力を養うことができたと感じています。
平林 入学した当初は、授業の内容が今まで予備校でやってきたことと違うことに面喰らいました。入学前に予備校を利用しておこなっていた勉強は、条文の趣旨を盛り込んだ論証を用意してそれを覚えることや、答練の問題を利用して論点を抽出する能力を鍛えることに重点がおかれていました。しかし、大学院では、授業で取り扱う題材を使って、判例や通説の不都合性について徹底的に考え抜いたり、どうしてこうした制度が設けられているのかといった本質的なところを考えたり、妥当な結論につながる法律構成を考えたりといったことが中心になりました。こうした勉強は新鮮で興味深く、面白いものでした。
  また、先生方は懇切丁寧に指導してくださり、学生研究室には自分専用のデスクも用意されており、勉強をするにはとても恵まれた環境にありました。


Q3 南山法科大学院の教育において、合格に結びついた要素は何だと思いますか。
A3 平林 大学院の授業は、少人数のクラス編成で、先生と学生との対話形式で進められるので、予習をきちんとこなし、授業中は議論に参加することが求められました。授業で扱う題材について幾つかの文献にあたって自分なりに検討した上で、授業中に皆で意見交換をしたり議論をすることで、「自分の頭で考える」ということが自然に実践できるようになりました。このことが合格に必要とされる思考能力を養うのに役立ったと思います。
NNC 学生入試広報スタッフの司会による開会式
  また、レポートや定期試験の答案についても先生方がコメントをくださるなど、自分の論述の仕方などを検討する機会があり、こうしたことの積み重ねが本試験における答案のイメージの確立につながり、本試験でも落ち着いて問題と向き合って論述することができたのだと思います。
磯貝 新司法試験では、難しい問題に対して自分なりの考えを示す能力が要求されました。このような能力は、先生方や他の学生と普段から議論することによって養われるものだと思います。南山は学生が比較的少ない中規模校であるため、先生方や学生同士の距離が近く、また、学生のみならず先生方も参加し、いつでも意見交換できるシステム(Web掲示板*)があり、議論する機会も多かったことが非常に役立ちました。
 
南山法科大学院では、ITの利活用による自主的な学習支援を行っており、教員と院生が自由に書き込むことができるコミュニケーションスペース「掲示板」等、様々な自学自習システム(NANZAN Self-Learning System)を作り上げています。

Q4 教員と学生の議論が多いことは、南山法科大学院の教育の特徴でしょうか。
A4 丸山 法科大学院は、通常以上に厳しい基準で設置された専門職大学院ですから、教員の対学生比が全国で大きく異なることはありません。ただ、収容定員が少ない本学では、個々の教員が日常的に多くの学生と接する機会が多いため、相対的に濃密な指導・学習を保証する環境が実現しています。また、本学は、無理矢理に特色を作ることはせず、「人間の尊厳のために」の教育モットーを基礎として、基本的な指導・学習を徹底する路線をとっています。さして大きな特徴のないのが、南山法科大学院の特徴です。

Q5 最後に、法曹を目指す学生へアドバイスをお願いします。
A5 平林 私は、法律の勉強として当たり前のことをただコツコツと積み重ねてきただけです。ただ、それは言葉でいうのは簡単でも、実行するのはなかなか大変なものです。このままでは合格できないのではないか、という不安感といつも背中合わせになりながら、何とか一歩でも合格に近づきたいと日々机に向かっていました。これから勉強を始められる皆さんも、途中で不安な気持ちになったりすることがあるかとは思いますが、あきらめずに地道に努力を重ねれば道は開けていくと思います。逆に、努力を怠れば道半ばで終わってしまいます。どうか強い意志で合格を勝ち取って頂きたいと思います。
磯貝 新司法試験に合格できるだけの力は、法科大学院で出される課題などを一つ一つじっくりと真面目に取り組んでいくことにより身に付くと思います。勉強は本当に大変ですが、諦めずにがんばってください!
宇佐美 合格するためにはそのための環境が必要です。南山大学はキャレル(専用机)や図書室等の施設、指導教員制度やアドバイザー制度によるアフターフォロー等についても充実しています。そして質の高い講義に志の高い友人達。南山大学は合格できる環境がそろっている法科大学院です。
丸山 法科大学院ができて法曹職の現実味が増し、チャレンジする価値も大きくなりました。ただ、法科大学院に在籍すれば司法試験に合格するわけではありません。主体的かつ積極的に学ぶ姿勢が前提であることを自覚してください。また、法科大学院は予備校とは違い、受験テクニックを教える場でもありません。今後の司法試験も、テクニックで合格できるものにはなりません。教員は理論と実務の架橋を意識して、学生を最大限に支援していきますので、教員の手助けを受けながら主体的に学んでいけば、法曹の「夢」が「現実」のものとなるはずです。