「情報技術倫理」の内容をご紹介する前に、この科目の位置づけをお話しておきましょう。数理情報学部では情報化社会を担う技術者を育成しています。学部の科目には3つの倫理科目があります。「情報倫理」と「情報社会と倫理」、そして「情報技術倫理」です。「情報倫理」では情報ネットワークのユーザーに関わる倫理を扱います。「情報社会と倫理」では情報ネットワークのもたらす社会問題がテーマです。ユーザーの倫理や社会的な倫理問題に対して、「情報技術倫理」では情報技術者の倫理が主題になります。つまり、情報に関わる技術者の専門職倫理です。
でもすぐに、「技術者って専門職なの?」という声が聞こえてきそうです。もっともな疑問です。「情報技術倫理」の内容は、なぜ技術者の専門職化が求められているか、という社会背景の紹介から始まります。次に、そもそも技術者一般に必要となる専門職倫理とはどのようなものかを考えます。続いて、技術者の中でも情報系の技術者の倫理とは何かを取り上げます。具体的な内容は、技術者の倫理綱領にある「公衆の安全・健康・福利」や、情報系技術者の倫理綱領で登場する「知的所有権の尊重」です。このようなトピックスについて、具体的な事例を通して検討します。
このように、「情報技術倫理」のテーマは情報技術者の専門職倫理です。未来の技術者が学ぶ数理情報学部でこそ大切な科目と言えるでしょう。興味を持って受講して欲しいと思っています。また、専門職倫理の考え方をどう受け止めるかについて学生に聞いてみたいとも考えています。 |