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南山大学ホーム日本語トップ総合案内広報・コミュニケーション南山ブレティン156号No.6
南山ブレティン156号
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 私の研究
 コミュニケーションの批評研究
奥田 博子
 
おくだ・ひろこ
外国語学部英米学科 助教授
専攻分野は「コミュニケーション・スタディーズ」。
長期研究テーマは「記憶が創新される過程」。
主な論文は“Murayama's Political Challenge to Japan's Public Apology”(National Communication Association, 2005)など。
担当科目は「コミュニケーション特殊研究B」など。

 私の研究は、コミュニケーション活動の批評です。具体的には、各々の文化や社会において<歴史>という語りとして現/表れる<記憶>の問題や、言語ないし記号<表現>による<常識>という現実認識の形成のあり方を問いかけてきました。
  一つの観点から歴史が語られるとき、まったく別ないし逆の観点からも語ることのできる側面が消されています。例えば、多くの人がアメリカ合衆国大統領フランクリン・デラノ・ローズヴェルトという名を耳にすると、「世界大恐慌」「ニュー・ディール政策」「第二次世界大戦」といった歴史的出来事、あるいは「チャーチル」「スターリン」といった歴史的人物を同時に思い浮かべるのではないでしょうか。その中で、彼が障害者であったことを記憶している人はどれだけいるでしょうか。
問題解決実習に取り組む参加者

 私たちは、ふだんあまり意識しませんが、私たちの社会や世界との関係は言語や記号によって創られています。そのように創られた現実や現実認識は、事実と一体どのように違うのでしょうか。コミュニケーションの批評研究は、コミュニケーション活動の中に「真実らしいもの」と「真実」との違いを見抜き、問題化し、そしてそれを論証し、批評してゆくことを目指しています。
 私たちの<記憶>や<常識>に対してまずは疑問を投げかけ、どのように言語や記号が私たちの現実や現実認識を形成しているかという問題意識を拡げてゆきます。また、そのような問いかけを通してコミュニケーション活動を批判的に捉えなおすことは、私たちの文化や社会の理解と批判を深化させてゆくことにもなります。