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南山ブレティン154号
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南山大学 2004年度決算 2005年度予算

教育・研究環境整備と財務体質の強化に向けて

 2004年度は、2000年度に設置・改組した学部が2003年度に初の卒業生を送り出すのに期を合わせ、大学院が新たなスタートを切った年であった。名古屋キャンパスに人間文化研究科、国際地域文化研究科、法務研究科、瀬戸キャンパスに総合政策研究科、数理情報研究科の計5研究科を開設した。法務研究科は、南山大学では初となる専門職大学院である。2005年度は、博士課程と専門職大学院であるビジネス研究科(ビジネススクール)の設置申請を行う。新たな教室棟の建築も検討され、2006年度末完成、2007年度からの使用を予定している。様々な事業を今後も継続して実施していくためには、基となる財務体質を強化していかなければならない。
 本学では、「南山BULLETIN」において財政状況を公開し、透明性の確保に努めてきた。今回は、2004年度決算および2005年度予算について、財務諸表とともに説明する。

 2004年度決算について
  第1表の「資金収支計算書」は、年度内の資金(現預金)の流れを表したものであり、収入の部の最後にある前年度繰越支払資金が年度当初の資金残高、支出の部の最後にある次年度繰越支払資金が、年度末時点での資金残高である。2004年度1年間の諸活動により、資金が約21億円増加した。
  2003年度は、大学院開設のための設置経費を約40億円負担しており、資金の減少が大きかった。2004年度はこういった特殊事情がなかったため、結果として資金が増加したと言える。他の要因としては、収入面では、寄付金、補助金および資産運用収入の増加が挙げられる。支出面では、退職者減による人件費(退職金)の減少、耐震工事の工法変更による費用の削減等が挙げられる。
  第2表の「消費収支計算書」は、消費収入と消費支出の均衡を表している。消費収入とは、帰属収入(学生納付金等負債とならない収入)から設備投資、将来の資産取得のための積立金等による基本金組入額を差し引いたものである。消費支出は単年度の経費である。
  2004年度は、約7億円の収入超過となった。2003年度は約35億円の支出超過であり、収支が大幅に改善しているが、要因は前述の資金収支計算書における資金増とほぼ同様のものに加え、大学院新設と学部受入学生の増加に伴う学生納付金の増加が挙げられる。学生増は新入生が大半であり、この学生納付金は2003年度の資金収入に前受金として計上されているため、消費収入の増加のみ2004年度に反映される。退職金については、消費収支計算では退職給与引当金で充当するため、消費支出には反映されない。累積の消費収支差額が約70億円の支出超過である点を考慮し、2005年度以降も継続して経費の削減に取り組むとともに、2004年度の収入超過分は、累積支出超過の削減に充てることとした。
  第3表の「貸借対照表」は、2004年度末時点での、資産および負債の状況を表している。資産は2003年度末から約54億円増加している。資金収支計算書のところで述べた現預金の増加に加え、大学院関連で取得した校舎(法科大学院棟、数理情報棟)、名古屋キャンパスにおける耐震工事の実施等により固定資産が約38億円増加している。負債は約2億円減少している。本学は1989年J棟建設時以来借入を行っていないため、前受金や未払金、あるいは引当金により若干の変動はあるものの、基本的に負債については過去に行った借入の返済分が減少していくこととなる。基本金は約50億円増加している。計画的な積立金である2号基本金は1億円増、資産取得に伴う1号基本金は約49億円増加している。固定資産は約38億円の増加であったが、ここには減価償却や除却による減少が加味されている。一方1号基本金は固定資産の減少による取り崩しができず、固定資産の増加分のみが反映されるため、資産の増加とは金額的に乖離することになる。消費収支差額の部は、過去からの累積となるが、2004年度が収入超過決算であったことにより、累積の消費支出超過額が若干減少した。
  第4表は、消費収支計算書と貸借対照表に関連した財務比率であり、他大学との比較を行っている。ほぼ平均並みあるいは平均を上回っているが、注意を要すべきは、基本金組入率の低さである。基本金組入率が低い場合は、必要な設備投資を行っていないケースが多い。本学の場合も、単年度収支改善のため、校舎の改修で一部先送りしているものがある。逆に特筆すべきは人件費比率の低さである。一般には50%が目安といわれているが、本学は46.2%とかなり低くなっている。事務の効率化とアウトソーシング活用の結果であろう。今後は、アウトソーシングの経費を含め、業務処理にかかる人的経費全体を抑制していくことが課題である。


第1表 2004年度 資金収支計算書 (2004年4月1日から2005年3月31日まで) (単位:千円)
収入の部
科目 予算額 決算額
学生納付金収入
 (授業料)
 (入学金)
 (実験実習料)
 (施設設備費)
手数料収入
 (入学検定料)
 (その他の手数料)
寄付金収入
補助金収入
資産運用収入
資産売却収入
事業収入
雑収入
前受金収入
その他の収入
資金収入調整勘定
前年度繰越支払資金
9,752,122
(6,826,551)
(1,030,150)
(38,299)
(1,857,122)
684,396
(589,804)
(94,592)
187,820
950,520
197,169
1,690
156,799
107,787
2,173,367
1,936,052
△ 2,600,348
10,603,551
9,778,307
(6,848,090)
(1,030,310)
(37,466)
(1,862,441)
696,967
(599,922)
(97,045)
249,499
1,042,543
229,072
1,317
163,548
119,582
2,303,031
1,839,415
△ 2,369,912
10,410,084
収入の部合計 24,150,925 24,463,453
 
支出の部
科目 予算額 決算額
人件費支出
 (教員人件費)
 (職員人件費)
 (退職金)
教育研究経費支出
管理経費支出
借入金等利息支出
借入金等返済支出
施設関係支出
設備関係支出
資産運用支出
その他の支出
法人本部費配賦額
資金支出調整勘定
次年度繰越支払資金



6,059,076
(4,186,146)
(1,731,530)
(141,400)
2,618,444
829,661
19,764
111,100
595,779
307,686
100,000
1,695,845
524,861
△ 110,080
11,398,789
5,820,550
(4,055,086)
(1,619,114)
(146,350)
2,368,610
772,078
19,408
111,100
550,235
302,070
100,000
1,526,210
506,328
△ 126,710
12,513,574
支出の部合計 24,150,925 24,463,453
(注)予算額は補正予算額。

第2表 2004年度 消費収支計算書 (2004年4月1日から2005年3月31日まで) (単位:千円)
消費収入の部
科目 予算額 決算額
学生納付金
手数料
寄付金
補助金
資産運用収入
資産売却差額
事業収入
雑収入
9,752,122
684,396
188,820
950,520
197,169
0
156,799
107,796
9,778,307
696,967
252,084
1,042,543
229,072
1
163,548
119,608
帰属収入合計 12,037,622 12,282,130
基本金組入額合計 △ 1,011,253 △ 975,587
消費収入の部合計 11,026,369 11,306,543
(注)予算額は補正予算額。
 
消費支出の部
科目 予算額 決算額
人件費
教育研究経費
 (内、減価償却額)
管理経費
 (内、減価償却額)
借入金等利息
資産処分差額
徴収不能引当金繰入額
法人本部費配賦額


5,917,676
3,750,030
(1,131,586)
940,814
(111,013)
19,764
17,754
805
524,861
5,674,201
3,491,945
(1,123,336)
888,043
(115,965)
19,408
17,753
3,520
506,328
消費支出の部合計 11,171,704 10,601,198
当年度消費収入超過額 - 705,345
当年度消費支出超過額 145,335 -
前年度繰越消費支出超過額 7,602,835 7,733,535
翌年度繰越消費支出超過額 7,748,170 7,028,190

第3表 貸借対照表 (2005年3月31日現在)
科目 2004年度末 2003年度末 増減
資産の部
固定資産
≪有形固定資産≫
  土地
  建物
  構築物
  教育研究用機器備品
  その他の機器備品
  図書
  車両
≪その他の固定資産≫
  電話加入権
  施設利用権
  長期貸付金
  退職給与引当特定資産
  南山大学教室棟整備資金
  南山大学グラウンド整備資金
流動資産
  現金預金
  未収入金
  短期貸付金
  立替金
  前払金
  貯蔵品
23,905,632
22,421,263
1,317,011
14,237,660
576,588
928,830
54,719
5,204,128
102,327
1,484,369
5,162
16,988
522,219
140,000
600,000
200,000
12,633,848
12,513,574
92,676
358
1,056
22,895
3,289
20,048,413
18,616,403
1,120,974
10,667,825
520,916
1,217,711
21,553
5,064,243
3,181
1,432,010
5,162
8,390
578,458
140,000
600,000
100,000
11,055,322
10,603,551
419,985
1,359
1,209
28,027
1,191
3,857,219
3,804,860
196,037
3,569,835
55,672
△ 288,881
33,166
139,885
99,146
52,359
0
8,598
△ 56,239
0
0
100,000
1,578,526
1,910,023
△ 327,309
△ 1,001
△ 153
△ 5,132
2,098
資産の部合計 36,539,480 31,103,735 5,435,745
負債の部
固定負債
  長期借入金
  退職給与引当金
流動負債
  返済期間が1年以内の長期借入金
  未払金
  前受金
  預り金
1,483,440
177,760
1,305,680
2,880,233
111,100
111,631
2,303,031
354,471
1,740,890
288,860
1,452,030
2,847,674
111,100
99,402
2,235,099
402,073
△ 257,450
△ 111,100
△ 146,350
32,559
0
12,229
67,932
△ 47,602
負債の部合計 4,363,673 4,588,564 △ 224,891
基本金の部
第1号基本金
第2号基本金
第3号基本金
第4号基本金
32,404,065
800,000
5,284,732
715,200
27,471,800
700,000
5,249,706
696,500
4,932,265
100,000
35,026
18,700
基本金の部合計 39,203,997 34,118,006 5,085,991
消費収支差額の部
翌年度繰越消費収入(△支出)超過額 △ 7,028,190 △ 7,602,835 574,645
消費収支差額の部合計 △ 7,028,190 △ 7,602,835 574,645
負債の部、基本金の部、消費収支差額の部合計 36,539,480 31,103,735 5,435,745
(注記)
1.建物・構築物等の減価償却額累計額の合計額 10,431,214千円  2.徴収不能引当金の合計額 27,468千円  3.担保に供されている資産の種類および額は、次のとおりである。 土地 134,800円  4.退職給与引当金の額の算定方法は次のとおりである。期末要支給額4,168,193千円の40%を基にして、私立大学退職金財団に加盟しているため調整額を加減した金額を計上している。 5.借入金の返済に伴い翌年度以降の会計年度において基本金への組入れを行うこととなる金額 249,980千円  6.名古屋キャンパスの敷地の一部については法人本部に計上されており、上記貸借対照表の土地及び第1号基本金には含まれていない。この土地取得費については、1997年度より毎年法人本部費配賦額により2億円ずつ負担し,2031年度まで合計7,161,350千円を負担することになる。  7.第3号基本金に対応する引当資産は法人本部にて手当てされている。

第4表 財務比率
○消費収支関連
比率 計算式 南山大学 他大学 評価
2002年度 2003年度 2004年度 2003年度
人件費比率
人件費依存率
教育研究経費比率
管理経費比率
借入金等利息比率
学生生徒等納付金比率
補助金比率
基本金組入率
減価償却費比率
人件費/帰属収入
人件費/学生納入金
教育研究経費/帰属収入
管理経費/帰属収入
借入金等利息/帰属収入
学生納入金/帰属収入
補助金/帰属収入
基本金組入額/帰属収入
減価償却額/消費支出
48.2%
61.1%
26.3%
7.4%
0.3%
79.0%
7.8%
5.8%
9.8%
52.3%
66.4%
26.5%
7.3%
0.2%
78.8%
8.0%
5.5%
7.3%
46.2%
58.0%
28.4%
7.2%
0.2%
79.6%
8.5%
7.9%
11.7%
49.3%
58.8%
26.8%
6.9%
0.4%
83.9%
7.4%
10.9%
11.1%









○帰属収入に対する比率
比率 南山大学2004年度 他大学2003年度
人件費
教育研究経費
管理経費
その他の消費支出額
基本金組入額+消費収支差額
46.2%
28.4%
7.2%
4.5%
13.7%
49.3%
26.8%
6.9%
1.2%
15.6%

○貸借対照表関連
比率 計算式 南山大学 他大学 評価
2003年度 2004年度 2003年度
自己資金構成比率
消費収支差額構成比率
流動比率(※)
減価償却比率
総負債比率
負債比率
(基本金+消費収支差額)/総資金
消費収支差額/総資金
流動資産/流動負債
減価償却累計額/減価償却資産取得価額
(固定負債+流動負債)/総資産
総負債/(基本金+消費収支差額)
85.2%
△ 24.4%
203.9%
42.9%
14.8%
17.3%
88.1%
△ 19.2%
255.2%
40.1%
11.9%
13.6%
85.9%
△ 1.0%
270.2%
37.8%
14.1%
16.4%





(注)他大学の数値は、日本私学振興・共済事業団平成15年度版「今日の私学財政」より、消費収支関連については文他複数学部の大学部門の平均を、貸借対照表関連は文他複数学部を有する大学法人の法人全体の平均をそれぞれ掲載した。評価は、それぞれの大学の特殊性があり一概にはいえないが、一般的には「↑」は数値が高い方がよく、「↓」は数値が低い方がよく、「〜」はどちらともいえないとされている。 総資金=負債+基本金+消費収支差額
(※)南山大学の流動比率は流動資産から第3号基本金額を差し引いた額を分子とした。


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 2005年度予算について
2005年度予算において、重点項目としている事業は次のとおりである。
(1)新教室棟建設の着手
  完成、取得は2006年度となるが、建築は2005年度中に着手する。そのため、費用の一部は2005年度に発生する。
(2)既存施設改修
  先送りされてきた改修計画を優先的に実施する。特に汚損の目立つ校舎内壁の美化工事を優先し、防水工事、空調機改修工事等を順次実施する。
(3)個人情報保護法への対応
  本学が制定した「個人情報保護にかかるガイドライン」に基づき、個人情報保護のために必要となる各種システム変更を行う。

私立学校法の改正により、2005年度から私立学校に財務情報公開が義務付けられた。本学では、法改正以前から財務状況を広く公開し、大学運営の透明性を高めるとともに、財政面における自己点検・評価を重ねてきた。今後もこの姿勢を持ち続ける所存であり、ご支援を賜りたい。
(大学事務部長 会沢 俊昭)



第5表 2005年度 資金収支予算書 (2005年4月1日から2006年3月31日まで) (単位:千円)
収入の部
科目 予算額
学生納付金収入
 (授業料)
 (入学金)
 (実験実習料)
 (施設設備費)
手数料収入
 (入学検定料)
 (その他の手数料)
寄付金収入
補助金収入
資産運用収入
資産売却収入
事業収入
雑収入
前受金収入
その他の収入
資金収入調整勘定
前年度繰越支払資金
9,984,365
(6,984,256)
(1,049,370)
(58,797)
(1,891,942)
663,009
(569,494)
(93,515)
168,000
991,973
164,538
1,900
178,218
110,235
2,195,198
2,344,495
△ 2,426,327
12,513,574
収入の部合計 26,889,178
 
支出の部
科目 予算額
人件費支出
 (教員人件費)
 (職員人件費)
 (退職金)
教育研究経費支出
管理経費支出
借入金等利息支出
借入金等返済支出
施設関係支出
設備関係支出
資産運用支出
その他の支出
法人本部費配賦額
[予備費]
資金支出調整勘定
次年度繰越支払資金


6,281,318
(4,375,565)
(1,729,653)
(176,100)
2,647,034
854,370
14,112
111,100
528,101
327,116
400,000
1,653,962
578,169
61,306
△ 93,756
13,526,346
支出の部合計 26,889,178
(注)予算額は補正予算額。

第6表 2005年度 消費収支予算書 (2005年4月1日から2006年3月31日まで) (単位:千円)
消費収入の部
科目 予算額
学生納付金
手数料
寄付金
補助金
資産運用収入
資産売却差額
事業収入
雑収入
9,984,365
663,009
169,000
991,973
164,538
3
178,218
110,236
帰属収入合計 12,261,342
基本金組入額合計 △ 839,843
消費収入の部合計 11,421,499
(注)予算額は補正予算額。
 
消費支出の部
科目 予算額
人件費
教育研究経費
 (内、減価償却額)
管理経費
 (内、減価償却額)
借入金等利息
資産処分差額
徴収不能引当金繰入額
[予備費]
法人本部費配賦額

6,105,218
3,593,577
(946,543)
975,625
(121,255)
14,112
11,200
1,720
61,306
578,169
消費支出の部合計 11,340,927
当年度消費収入超過額 80,572
前年度繰越消費支出超過額 △ 7,028,190
翌年度繰越消費支出超過額 △ 6,947,618