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南山の取組南山大学国際化ビジョン

基本理念

  • 水準の高い研究と国境を越えた学生の学びによる国際的学術連携・人的交流の促進
  • 他者・異文化理解を軸とする国際教育のさらなる展開と海外諸大学との連携強化
  • 世界のカトリック系教育機関との連携と人間の尊厳を重視した社会貢献の推進

指針としての「南山大学グランドデザイン」(2007年策定)

南山大学では、2005年4月1日付「理事長基本方針」で示された20年後の将来像検討要請を受け、社会変化予測を踏まえたビジョンを定め、2007年に「南山大学グランドデザイン」としてその改革方針をまとめた。

建学の理念を「キリスト教世界観に基づく学校教育を行い、人間の尊厳を尊重かつ推進する人材の育成」とする本学は、そこに具体的な方向性を与えるべく、「人間の尊厳のために」という教育モットーを掲げている。「南山大学グランドデザイン」においては、その教育モットーを具現化していくためのビジョンとして、「人種、障がい、宗教、文化、性別など、様々な違いを認識し、多様性を前提とした人間の尊厳、他者の尊厳を大切にし、人々が共生・協働することで、新たな価値の創造に貢献する」ことを掲げ、それを端的に表すキーフレーズを、「個の力を、世界の力に。」と定めた。ここには、20年後(2027年)に本学が、世界から選ばれ世界に人材を輩出することができる大学、地域に根ざしていると同時に世界に開かれている大学になっているのだという願いが込められている。

人間の尊厳、すなわち自分自身と他者の尊厳を尊重し、それを指針に生き、推進していく人々が共生・協働することにより、「個の力」が結集され、グローバルな社会に貢献できる「世界の力」となる。本学が教育・研究・社会貢献を通じて実現するのは、「個の力」が練磨され、新たな価値を創造する学的共同体であり、「世界の力」となり得る人材の育成である。

国際化推進のための具体的取組と達成目標

グランドデザインで提示された、(1)多様性を確保する、(2)個を強化する、(3)異なる価値観を持つもの同士が共生し協働できる環境を整備する、という3つの重要視点を柱に据え、文化・社会の違いを超えて必要とされ、国境を越えて活躍できる人材の育成を目指し、南山大学のさらなる国際化を推進する。

具体的には、多様な留学生との日常的交流を通じ、すべての学生がキャンパスにいながらにして国際感覚を身につけられるような環境整備を進めるとともに、海外留学プログラムの選択肢を拡げ、全学部・研究科の学生たちの現地での学びを促進する。学部・研究科の違いを問わず、国際共通語としての英語運用能力の向上は必須である。

国際化ビジョンの実現を目指し、グランドデザイン完成年度に向けた今後の取組課題と達成目標を以下に定める。

Ⅰ.学生の多様性と流動性の確保

  1. 人種、宗教、文化など様々な違いを持つ外国人留学生を受け入れるとともに、海外留学を通じ、多様な経験、価値観を有した日本人学生を増やす。異なる語学レベル・問題関心を持つ学生が、それぞれ明確な目的意識を持って留学に取り組むことができるよう、受入れ・派遣ともにプログラムの多様化を図る。
  2. 各学部・研究科において、正規入学者とともに交換協定による留学生受入れ(半年~1年間)を促進し、日本語運用能力の高い留学生の学部編入学者も増加させる。
  3. カトリック系教育機関の世界的ネットワークや交流協定締結先との連携、加盟済みのISEPやIESといった国際的NPOの活用により、留学生数の増加を図るとともに、アフリカ・南アジア・東欧・中東・ラテンアメリカなど、これまで受入れ実績が少なかった地域からの留学生を受け入れることで、多様性を確保する。
  4. 現在の派遣留学制度を量的に拡大し、外国語学部や総合政策学部で行われている単位修得を伴う語学・事情実習、短期研修のようなプログラムを他学部でもその特性に応じて開発する。

Ⅱ.グローバル化に対応した環境整備(外国語による教育の充実と制度改革)

  1. 留学を補完する教育の場として、ICT(情報通信技術)を用いた交流を促進する。海外の大学と本学との間で外国語による共同の遠隔授業を開講するなど、ICTによる「位置透過性」を利用した、学習が学ぶ者の居場所に制約されない環境を整備することで、国境のない学びの場を実現する。
  2. 科目の多様化を図ることなどを通じて国際科目群をいっそう充実させ、日本語学習を主たる目的としない海外留学生の受入れにも対応できるようにする。
  3. 高度な外国語運用能力と地域理解力を実社会で活用できるよう、海外でのサービス・ラーニングやフィールドワーク、インターンシップ等のプログラムをカリキュラムに組み込み、学生の積極的参加を促す。
  4. 2017年度にクォーター制を導入し、日本人学生の留学の選択肢を拡げるとともに、学部学科のカリキュラムと外国人留学生別科のカリキュラムを柔軟に運用し、正規学生と別科生がともに学べる授業を増やす。
  5. 海外協定校との間でダブル・ディグリー制を構築する一方、双方大学院への推薦入学制度を整え、学生の流動性を高める。教員交換にも積極的に取り組む。
  6. 英語をはじめとする外国語運用能力の高い事務職員を配置するとともに、国際化業務関連でのSD(Staff Development)研修を促進する。

Ⅲ.国内外における企業等との連携ならびにネットワークの拡充

  1. 中部圏にあるグローバル企業と連携し、海外進出先での社会問題や文化摩擦などを題材とするPBL(Project-Based Learning)やキャリアデザイン科目等を共同で展開するとともに、学生向け海外職場体験プログラムを開発する(外資系企業の日本国内事業所も含む)。また、本学留学生の日本での就職先についても、地元企業を主な対象として積極的に開拓する。
  2. 外国人留学生ネットワークを強化・拡大し、欧米・アジアを中心とした留学生同窓会と連携しながら、また、カトリック大学の世界的ネットワークを活用することにより、グローバルなレベルで学生交流・学術連携を促すための海外拠点を設置する。

以上の取り組みを通じ、グローバル社会において「個の力」を「世界の力」へと転換させうる人材を輩出し、地域に根ざすと同時に世界に開かれた大学となることを標榜しつつ、2027年度に向けグランドデザインの達成を目指す。

グランドデザイン完成年度(2027年度)に向けたビジョン達成のための具体的数値目標

国際連携促進のための世界的ネットワークの拡張

  • 交換留学のための交流協定締結先については、2013年度末時点の64大学(18か国・地域)に加え、約70大学と新規締結することを目標とする。ヨーロッパ、北米、アジア・オセアニア、ラテンアメリカ地域に加え、アフリカや中東地域等にも新たな提携先を開拓する。

学生の流動化促進による受入れ・派遣留学生数の拡大

  • 学部・大学院、外国人留学生別科、短期プログラム参加者の外国人留学生については、2013年度通年約450名から600名程度 への増加を目標とする。
  • 交換留学プログラムや短期留学プログラム等を通じた本学正規生の海外留学経験者数については、2013年度通年約400名から700名程度への増加を目標とする。

高い外国語運用能力を前提とする多様な講義科目の展開

  • 「国際科目群」を中心とする外国語による授業科目については、2013年度実績157科目から200科目程度まで増やすことを目標とする。