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15世紀の百年戦争のさなかに、祖国のために戦い、囚われの身となり、魔女として火あぶりになった悲劇のヒロイン、ジャンヌ・ダルク。今日、彼女はフランスではナポレオンに次いで人気のある歴史上の人物といわれています。フランスの町には必ず彼女の彫像があり、毎年5月には各地でジャンヌ祭が行われます。しかしジャンヌは最初からこのような国民的アイドルであったわけではありません。彼女は長い忘却の後、19世紀になって急速に国民的ヒロインとして注目を浴びるようになりました。この劇的な復活の背後には、どのような事情があるのでしょうか。そこには19世紀における「歴史学の誕生」が関係しています。われわれは文学者や歴史家たちの描くジャンヌ像をいくつか取り上げて比較してみましょう。そしてそのイメージの変遷を通じて、歴史上の人物が神話的存在になる過程を検討してみたいと思います。 |