私たちの住んでいる経済社会は、個人の自立と人々の相互依存で成り立っている。人は自立しなければならないが、一人では生きられず、お互いがお互いを必要としている。しかし、自己利益を追求することで、まわりまわって他人の利益にもつながる。その際に、私たちの行動は、「与えよ」(ギブ)から始まらなければならない。すると、「与えられる」(テイク)からだ。これがギブ・アンド・テイクの原則で、人は、自分の働きに応じて何らかの報酬を獲得し、その報酬により他の人が提供した財やサービスを入手する。そこでは、競争社会が発生し、安価でよりよい製品が求められ、技術はどんどん進歩する。よって得る報酬には差が生まれ、貧富の差が拡大するが、報酬に応じて国に税金を払い、私たちに必要な公共財やサービスを受け取る。市場経済において、一定のルールのもとで自分の利益を追求することが、ひいては多くの人の利益になると考えられているからだ。
講義の最後にはヨハネ・パウロ2世の文献も取り上げられ、働くことは、人間特有のしるしであり、そのしるしこそが人間性を成長させ、自己実現を達成させるものであると、今回の講義から経済における人間の尊厳の維持について考えを深めることができた。
( 取材:外国語学部2年 小瀬木彩乃 )
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