南山大学

 
人間の尊厳科目 連続講演会  第1回 (4月23日実施)
聖書に学ぶ「不条理」への対処法
山田 望 教授
総合政策学部学部  専門分野: キリスト教教理史

 科学的な説明では答えを導けない「Why(なぜこんな目に遭うのか?)」という「不条理」な事柄。山田教授は「不条
理」に関する事例を上げ、対処法として宗教の存在を取り上げた。例えばイエスは「善きサマリア人」(ルカによる福音
書)の中で、被害者意識で不幸を嘆くのではなく自分にできることを他人の為にする大切さを述べた。またパウロは
「『逆説的』体験」で「不条理」(=マイナス)の中にプラスへの転機が含まれていると語った。このようにキリスト教の
教えには「不条理」をいかに乗り越えるか説いた部分がある。私は「不条理」に遭い不幸を追及するのではなく、視点
を変え自分ができることを周りのためにすることが大切だ、という点が印象的だった。

 中でも障害児の話が心に残った。私たちは障害者に対して「介護をしてあげる」という意識を持つが、見方を変えることで「私たちを救ってくれる」ことに気づかされる。障害のため笑うことしかできなくても、笑顔でしっかり「人間にとって何が一番大切なのか」を伝え周囲の人を救った。障害という「不条理」をプラスに生かし与えられた人生をユニークで有意義なものにしたのだ。どんな状況(=「不条理」)にあっても「人間の尊厳」は必ず与えられている。山田教授は聴衆を笑わせ泣かせ、人の心を掴む講演を行った。あなたもこの機会に連続講演会に参加して自らの生活を見直してみてはどうだろう。

( 取材:外国語学部 4年 鈴木 綾 )