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南山大学連続講演会 第8回 「子どもの近代・家族の近代」 当日の様子

林雅代 講師
日時 2007年11月17日(土)14:00〜16:00
講演者 人文学部心理人間学科 講師 林雅代
テーマ 子どもの近代・家族の近代

近年、男性をターゲットにした子育て雑誌が増加しています。こういった現象の中に見られる「父性の強調」は最近の傾向と考えられますが、歴史を遡ると、父親の役割が重視された時代は以前にも認められます。ここでは、最近の「父性の強調」の意味を、社会の中での家族のあり方という観点から考えてみたいと思います。

 

要項

西洋における家族観の変化

現在メディアが伝えている父親像は、現実の姿というよりは、望ましいと考えられているモデル像であると考えられます。同じように、宗教的なメッセージのみならず社会の風潮や慣習も反映したと思われる西洋の絵画を見ることで、西洋の家族像の変遷をたどることができます。

  • ルネサンス以降に描かれるようになった「聖家族」「聖父子」
  • キリスト教芸術に投影されていた「核家族」の観念

社会変動と「近代家族」

「聖家族」の絵画が登場した頃、家族の姿は、家の制度が重視される伝統的な家族から、情緒的な絆で結ばれた「近代家族」へと徐々に変化してきました。

L.ストーンによる「近代家族」の2つのタイプ

(1)限定的家父長制核家族

  • 強い家父長権力によって家族を構成
  • 子どもの服従を重視するしつけ観
  • 妻に従順さを期待

(2)閉鎖的家庭内的核家族

  • 子どもの自由を容認する志向性
  • 夫婦間の平等な関係
  • 子ども中心の家族

社会構造としつけ

「閉鎖的家庭内的核家族」に強く見られる情愛的個人主義は、礼儀作法の成立と深く関連しています。また人間の文明化(立ち居振る舞い、洗練された態度)は、社会構造の変化とも大きくかかわっています。

歴史的・宗教的背景の異なる西洋社会の歴史をそのまま日本に当てはめられるわけではありません。しかし西洋において、核家族がその他の集団からの自律性を高め、親が子どもの教育に積極的になるという流れ、父性の強調と母性の強調が繰り返し起こっているという社会構造は、日本の家族を考えるうえでも参考になるものと思われます。