南山大学

 
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南山大学連続講演会 第7回
「外来種の脅威 ―崩れゆく日本の生態系とオーストラリアに見る環境保護― 」
当日の様子

江田信豊 教授
日時 2007年10月27日(土)14:00〜16:00
講演者 総合政策学部総合政策学科 教授 江田信豊
テーマ 外来種の脅威
―崩れゆく日本の生態系とオーストラリアに見る環境保護―

人間の活動に伴って、それまでその生き物が生息していなかった場所に持ち込まれた動・植物を「外来種」と呼びます。外来種は、すべてが必ずその場所で野生化し生息できるものではありません。しかし、まれに新しい環境に適応し在来の生物に悪影響を及ぼす例もあります。そして実際に被害が起きた場合、きわめて深刻な影響をもたらします。このような外来種のことを「侵略的外来種」と呼びます。今回は、この外来種が引き起こす問題や対策について考えてみます。

 

要項

侵略的外来種が起こす主な問題

  • 野生生物の輸入大国日本と外来動植物の管理の現状
  • 外来種によって起きる問題(捕食・競合・交雑・感染)
  • 外来種によりどのような影響が心配されるのか

外来種の意図的な導入

  1. ブラックバスの放流から生息分布まで
  2. 放流された外来種が在来種を絶滅に追い込んだ「ビクトリア湖の悲劇」
  3. 外国産クワガタムシ・カブトムシが引き起こす問題
  • ペットとしての輸入状況
  • 放棄・放虫による遺伝的攪乱の可能性
  • 注意喚起が必要な外国産クワガタムシ・カブトムシの取り扱い

外来種の非意図的な導入

  1. 世界に分布するアルゼンチンアリ
  • アルゼンチンアリの生態
  • アルゼンチンアリの分布拡大の仕方
  • アルゼンチンアリの被害
  • 不快害虫としての被害
  • 農業害虫としての被害
  • 侵略アリとしての生態系への影響

「緑化」が引き起こす問題

  • 植樹による周辺環境への問題

法による規制について

  • 外来種問題への対応が不十分な日本
  • 「特定外来生物法」の制定と、法で解決しきれない問題

オーストラリアにおける外来種の取り組み

  • オーストラリア大陸の起源と生物相
  • 移民の歴史と持ち込まれた外来種による影響
  • 外来種に対する政府の取り組み
  • 一般市民への環境教育

日本は、世界で類を見ないほどの自然美を有する国ですが、この自然環境を財産と考える人はそれほど多くはありません。日本が近代化の道を歩むとともに絶滅していった多くの動植物もあり、現在は外来種の無法地帯となってしまっています。また、国家政策による保護や保全活動も全く欠落しているといっていい状況です。日本の在来種や固有種を守るには、小学校の頃からの自然教育や環境教育が非常に重要です。また日本の大学教育の中にももっと自然博物学、環境教育が必要であり、それが将来の美しい日本を作る手がかりの一つと考えます。