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南山大学連続講演会 第3回 「働くことの意味 ―勤労観の変遷―」 当日の様子

藤原道夫 教授
日時 2007年7月14日(土)14:00〜16:00
講演者 総合政策学部総合政策学科 教授 藤原道夫
テーマ 働くことの意味 ―勤労観の変遷―

現代の日本では、雇用労働者として就業している人々の比率が全体の80%を超えています。労働の大きな目的は、もちろん賃金・給与を得るためですが、他にも「仕事にやりがいや満足感を感じること」「昇進により権力を手に入れること」などさまざまな目的が考えられます。また企業側の立場からは、雇用の目指す目的として、従業員のコミットメントや能力開発などが考えられます。
勤労観は時代とともに変わっていきます。戦後は「会社人間」が幸せな勤労者像とされた時代もありましたが、その後は減少していきました。現代の社会で、人は雇用労働に何を求め、雇用労働者の幸せはどこにあるのか考察していきたいと思います。

 

要項

戦後日本の原型の創出

  • 戦後の経済状況と経済的不安
  • 経済発展の基礎ができ、節目を迎えた1955年

経済の高度成長と勤労観

  • 1955年以後の経済発展と国民所得倍増計画
  • 労働のオートメーション化と従業員の意識
  • 会社と一体となった「会社人間」の出現

高度経済成長の終焉と1980年代の社会

  • オイルショックによる終身雇用制度の変化と早期退職優遇制度
  • 製造業の国際的な成功と女性の進出、ゆとり労働
  • 「伝統的会社人間」「仕事重視・個人重視型」「ぶら下がり型」、3タイプの勤労者像

勤労観の弛緩と今後の状況

  • 中部生産性本部が調査した労働者の実態
    約4割が「努力をしても報われない」
    過半数が「会社がよくなっても自分はよくならない」
  • 雇用ポートフォリオと成果主義

現代日本における勤労者の幸せ

重要な4つのキーワード

  • 「会社とのかかわり」
  • 「安定欲求と成長欲求のバランス」
  • 「ワークライフバランス」
  • 「個人のキャリア形成」

21世紀の日本の企業社会を考えるにあたり重要なことは、どのような勤労観を人々が持っているのかを明らかにしていくことです。それによって人々が考えている幸せの形がわかります。また逆に、幸せの形を社会の側から提供できないことも問題です。企業社会における幸せの形を明確にしなくては、勤労は人々にとって魅力あるものにはならないでしょう。