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理工学研究科では国際化推進事業に積極的に取り組んでいます。この事業は、大学院レベルで海外の大学院と交流し、理工学研究科の研究者、大学院生の研究に資することを目的としています。
国際化推進事業の一環として大学院生を海外の研究機関に短期間派遣して、海外の大学院生との交流をしています。海外で自らが取り組んでいる研究を発表し、また現地で開催されるセミナーに参加して英語で情報交換をすることで、派遣された大学院生にとって今後の研究活動を進める上で、貴重な経験になっています。
派遣された大学院生たちは、自分たちが取り組んでいる研究が海外でも評価されることを実感し、自信をつけ、また海外の研究の状況を知ることの重要性を認識するようになっています。また、帰国後には、その体験を後輩たちに伝え、研究科全体の活性化につながっています。今後も大学院生の派遣を行い、理工学研究科の国際化を推進します。
※2013年より、理工学研究科博士前期課程を開設します。
香港理工大学(香港)

- オペレーションズ・リサーチの研究交流
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香港理工大学は香港でも有数の規模、学問水準を誇る大学です。その1つの学部である工商管理学院にはオペレーションズ・リサーチの研究グループがあり、2008年から情報理工学部のオペレーションズ・リサーチの研究グループと交流を続けてきました。研究者間の交流を発展させ、2011年から大学院生を互いに短期間派遣し合っています。香港はアジアの物流の中心として発展を続けており、香港理工大学も物流関連のオペレーションズ・リサーチの研究で世界的に知られています。
南山大学でオペレーションズ・リサーチを研究しているグループの主要な研究テーマの一つが都市内・都市間の物流問題であり、お互いの情報交換が研究活動を活発化させているのです。

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参加学生の声(原雅典さん)
2012年9月6日から21日までの約2週間、香港に理工学研究科から派遣されて留学しました。目的は海外の学生との交流及び研究交流でした。
現在私は、病院と患者の需給関係について地域格差が生じていることの可視化及び公平な医療サービス受給のための体制を整えるために必要な施設に関する指標の作成を研究しています。今回の交流では、私の研究を香港理工大学の大学院生のセミナーで発表しました。発表には多くの医療用語が出てきますので、出発まで辞書を片手に四苦八苦しながら英訳しました。発表では私の研究が香港理工大学の学生にも理解し、興味を持ってもらうことができました。
また、留学中は香港理工大学の学生が香港中を案内してくれました。地元の方しか入れないような美味しい食事処にも一緒に行き、とても親切にして頂けました。その中で私はコミュニケーションの大切さを感じました。英語はコミュニケーションを図る上で重要です。自分の英語の力不足のためにもっと話したいのに出来なくてもどかしい思いをしましたが、それ以上に言葉や国の壁を乗り越えて理解し合おうとする心構えが最も大切なことであると、私はこの留学を通して学びました。
University of Zurich(スイス)

- ソフトウェア工学の研究交流
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University of Zurich は、26,000人余りの学生を擁するスイス連邦で最大の大学です。7学部からなる総合大学で、ヨーロッパ圏ではトップレベルの研究大学としてランキングされています。この大学のDepartment of Informaticsでは、ソフトウェア工学、特にソフトウェア進化およびアーキテクチャ設計の分野における研究が活発に行われており世界的な成果を挙げています。これらの研究は、本学ソフトウェア工学科において研究を行っている分野と非常に関連が深いのです。本学ソフトウェア工学科の学生による訪問は、世界トップレベルの研究室においてその活動に触れる絶好の機会です。

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参加学生の声(岡田大輝さん)
9月9日から9月16日までの一週間、数理情報研究科国際化推進事業大学院生派遣制度を利用し、スイスのチューリッヒ大学に滞在しました。チューリッヒ大学では、自分の研究について発表を行ったほか、滞在先の研究室の教授や大学院生と交流し、ソフトウェア進化に関する研究についての意見交換を行いました。
私の研究は、ソフトウェア設計支援のための知識ベースシステムの開発です。ソフトウェアシステムを開発する過程では、既存部品を再利用することで、開発にかかる労力を削減することが重要です。私が開発している知識ベースは、ソフトウェア設計の工程で部品を再利用するための知識を構造的に管理することにより開発の効率化を目指しています。
研究発表では、研究の中の重要な要素と、その理由を伝える難しさを体感しました。質疑応答では、自身の説明や理解の曖昧さを意外な視点から指摘され、研究課題を多面的に捉える重要性を再認識しました。国際的な研究活動の場では語学力だけでなく、相手に伝えようとする意識が重要であることを痛感しました。
本学大学院では、技術習得や国際的な場への参加の機会が数多く設けられています。今後もそういった機会を有効に活用し自己成長へつなげることが大切だと考えています。
国立中興大学(台湾)

- 制御工学の研究交流
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台湾の国立中興大学は、台湾中部の台中市にある総合大学であり、文・農・理・工など8つの学部で17000人以上の学生が学んでいます。その起源は1919年設立の農林専門学校にたどることができ、現在は台湾中部で一番の大学と言われています。
同大学の工学院電機工程学系所には、6人の教員からなる制御工学のグループがあり、誘導制御、ロバスト制御から、ロボット、バイオインフォマティクスまで、理論と応用の双方ににまたがる広範な分野を研究しています。ポスドクや博士課程・修士課程の学生も多く、活発に研究活動を行なっています。
台湾は、その近さの割にあまり身近ではないかもしれませんが、独自の文化を持ち、人々が親切で、とても居心地の良いところです。こうしたところにしばらく滞在して、頑張っている学生たちを見ることは、技術者としての視野を広げ、学習・研究の動機づけとなり、将来にわたって糧となることでしょう。

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参加学生の声(市原寛之さん)
今回私は台湾の国立中興大学に2週間滞在しました。大学では2つの制御関係の研究室にそれぞれ1週間ずつ滞在し、研究室のテーマについて学習するとともに学生と交流しました。特に、第1週目の研究室では、自分の卒業論文を英語で発表させてもらったのが印象的でした。つたない発表にも関わらず、熱心に質問をしてくれて、ありがたく感じました。また第2週目の研究室では、一輪車ロボットの制御など、その研究室のテーマについて論文を読みました。私は普段理論的な研究を行なっているので、実験機を使う研究は特に興味深く感じました。
滞在中は研究室の学生がとても親切にしてくれ、昼食も夕食も近くの食堂に連れていってくれました。また、週末には近くの鹿港という観光地に連れていってくれて、楽しく過ごすことができました。
今回の滞在で感じたことは、英語の大切さです。英語は世界共通で通じる言語です。国立中興大学の研究室でも英語でコミュニケーションをとりました。私は英語が苦手なので、かなりコミュニケーションに苦労をし、大変でした。しかしそのおかげで英語の勉強意欲が強くなり、さらに制御工学の研究意欲もわいて、良い経験だったと思っています。

